box (shoet)
□冷たい誘惑
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このジムの看板ボクサー鷹村守
ロードワークの後のせいで滴る汗は大量で
熱気もいつもの比ではない
できれば近づきたくない状態だ
でも、そんなことは関係なく
鷹村さんはずんずんと私との距離を縮めてきた
「た、鷹村さん…」
「いや別に…ん?何だよ、そのツラは」
どうやらしかめっ面になってるらしい
それもそうだ
近くにいるだけで私も汗をかいてきた
とにかく今の鷹村さんから離れたい
「用がないなら…私はむこうの掃除を」
「まあ待てよ」
でも、鷹村さんはそれを許してはくれなかった
じっとりとした手でつかまれた腕は
振り解こうにも振り解けない