box (shoet)

□冷たい誘惑
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「ん?…だから、そんな顔すんなって」





私の手をつかんでいた鷹村さんの手は
今は私の頭の上にあった
無造作に撫で回されて髪の毛がぐしゃぐしゃになるのが分かった
でも、不思議と嫌と感じなかった


鷹村さんがあけてくれたアイスは少し融けていた
それでもそんなの気にせず
ほらよ、といって私にアイスを突きつけた


融けた汁が付かないところの棒を持ち
白い氷のアイスを思い切り頬張った


甘いミルク味が口いっぱいに広がるのと同時に
ひんやりとした感覚が全身に感じた





「…おいしい」


「だろ!ま、俺様チョイスだから当たり前だけどな!」


「はいはい、分かりました」





高笑いする鷹村さんを無視してアイスを食べ続けた


なんでこんなに自意識過剰なんだ?
この性格さえなければ…


ちらっとばれないように鷹村さんを見た
でもばっちり目が合ってしまった


反射的に反対側に顔を向けた
思い切り向けてしまったから首が痛い
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