ひとつだけの愛
□そらと○○のひとつだけの愛 第23話
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そらとよう子披露宴が、何事もなく無事に終わった。
SPの皆さんのスピーチで、海司が言った。
海司「オレも、そらさんやよう子のように、いつかは彼女と結婚します。」
みどりは思い出していた。
みどり「はぁ…、海司さん、スピーチでの言葉、ホンキで考えてくれてるのかなぁ…。よう子に聞いてみようかなぁ。」
その頃ー。
そらとよう子は、総理と共に、大臣、大使の方々への挨拶回りをしていた。
一番最後のイタリア大使への挨拶が終わった。
総理「そらさん、よう子、すまないね。疲れているのに、挨拶回りさせて。」
そら「いえ、大丈夫です。」
総理「よう子、体調はどうだ?」
よう子「うん。大丈夫だよ。」
総理「明日から慰安旅行なんだね。ゆっくりして来なさい。よう子、無理させてすまなかったな。」
よう子「お父さん、大丈夫だよ。」
総理「じゃあ、気をつけて行っておいで。」
2人「はい。」
帰りは、昴さんに車で送ってもらう。
昴「そら、よう子、お疲れ。」
そら「すっげー、緊張したよ…。よう子、体調大丈夫?」
よう子「…。少し、疲れましたね…。」
そら「少し眠ってもいいよ?」
よう子「大丈夫です…。」
すると、よう子の携帯が鳴る。
そら「よう子、携帯鳴ってるよ。」
よう子「あっ、ホントだ。みどりからだ。もしもし?みどり?」
みどり「よう子?」
よう子「うん。今日は、ありがとうね。」
みどり「よう子、可愛かったよ(^-^) お腹、ふっくらして来たね。ね、今、なにしてんの?」
よう子「今、お父さんとそらさんの3人で、挨拶回りをして、それが終わったから、昴さんに送ってもらってるの。」
みどり「そうなんだ(^-^)。あ、あのさ、よう子…。」
よう子「うん。どうかした?」
みどり「海司さん、スピーチで言ってた言葉って…、ホンキだよね?」
よう子「うん。多分…そうじゃないかなぁ。」
みどり「そらさんから、何か聞いてない?」
よう子「何も聞いてないよ?」とそらを見る。
そら「ん? なに?」小首を傾げ、よう子を見つめる。
みどり「海司さんから、そらさん、何も聞いてないのかなぁ…。一度、聞いてみてくれる?」
よう子「うん。いいよ。」
みどり「じゃあ、お願い。」電話を切る。
昴「よう子、みどりさんからか?」
よう子「はい。」
そら「みどりちゃん、何だって?」
よう子「海司のスピーチのことで。」
昴「スピーチ?」
そら「あっ! わかった〜!!」
昴「なんだ。そら。びっくりするだろうが。」
よう子「すみません…。」
そら「スピーチで、海司がオレやよう子のように、いつかは彼女と結婚します。って言ったこと?」
よう子「うん。みどり、なんか、海司がホンキなのか気になってるみたいだよ。」
昴・そら「どさくさ紛れにプロポーズするかなぁ。普通…。」
よう子「…。海司らしいよね…」
昴「海司も、そらとよう子から、刺激を受けて結婚を考えたんだろうな。」
そら「そう言えば、前にさ、そろそろ、ケジメをつけたいって言ってたっけ。」
昴「おい。ついたぞ。」
2人「ありがとうございました。」
昴「明日は、SPルームに8時半に集合だからな。そら、よう子、遅れるなよ」
2人「はい。」
マンションに入る。エレベーター前で人影が…。
そら「ん? 誰かいる」
よう子「えっ!?」
そら「よう子、こっち。」と手を引き、自分の背中に隠す。
よう子「そらさん…。」
緊張感が漂う。
そら「誰だ!」
海司「そらさん、オレっすよ。」
そら「海司?」
よう子「えっ!? か、海司?」
そら「海司ぃ、お前…。何やってんだよ?」
よう子「びっくりした〜」
海司「何って、そらさんたちを待ってたっすよ。」
2人「??」
海司「その…、なんていうか…。その…、そらさんとよう子に聞きたいことがあって…。」
そら「じゃあ、部屋に行こう。よう子ちゃん、大丈夫?」とよう子を気遣いながら3人はエレベーターに乗る。
海司「よう子、すまんな…。」
よう子「ううん。大丈夫だよ」
そらとよう子の住む部屋に着く。
そら「はい。よう子、暗いから、足元気をつけてね。」
よう子「はい。ありがとう。そらさん」
そら「大丈夫?」
よう子「はい。」
そら「海司も入って?」
海司「おじゃまします。」
そら「なんだよ。よう子と2人っきりで、居たかったのに〜。」
海司「そらさん、毎日、よう子と一緒にいるじゃないっすか。」
よう子「あ…、私、お茶淹れるね?」
そら「ん? あっ、よう子、オレも手伝うから。ね。」2人でお茶を淹れる。
よう子「お茶菓子ないけど…。いいかなぁ。」
そら「いいんじゃない?」
リビングにお茶を運ぶと、海司は、リビングの床に座っていた。
そら「海司、用があったんだろ?」
海司「う、うん…。あのさ、よう子…。」
よう子「何?」
海司「みどりちゃんから、何か聞いてない?」
よう子「みどり、海司の言ったこと、ホンキなのかなぁって言ってたよ?」
海司「俺、みどりちゃんにプロポーズしようって思ってんだけど。」
そら「だから、すればいいじゃん。」
海司「そらさんの時は、シチュエーションどうだったっすか?」
そら「夜景を見て、指輪を渡して、普通に結婚しようって言ったよな?よう子?」(言えるわけねーじゃん。)
よう子「えっ!? は、はい。そうだったよね。多分…。」(うわぁ〜。あれは、言えないでしょう…。)
そら「シンプルが一番だと思うよ。」
よう子「そうそう。シンプルが一番だってば。」
海司「そっか〜。シンプルか〜。サプライズなしで。それが一番なんすね?」
2人「うん…。」
海司「指輪は、誕生石っすよね。」
そら「うん。」
よう子「みどり、海司が言ったことが本気なのか、気にしてたし、待ってるみたいだよ?」
そら「女の子を待たせちゃダメっしょ!?」
海司「そうっすよね。慰安旅行から帰ったら、プロポーズするって決めたっすよ。」
そら「頑張れよ。海司。」
よう子「そらさん…。」
海司「ただ、姉貴たちだよなぁ。」
そら「海司んとこの、姉ちゃんたち、凄いもんなぁ〜。」
よう子「でも、いいお姉ちゃんたちだよ?」
海司「あいつら、邪魔ばっかするんすよ。」
そら「ハハハ…。ファーストキスん時も、邪魔したんしょ。(笑)」
よう子「みどり、お姉ちゃんたち、大好きみたいだよ?」
海司「マジっすか?」
そら「まぁ、頑張れよ。海司。」
海司「じゃあ、明日。」
海司は、みどりにプロポーズする決意を固めて、帰って行った。
そら「よう子? 疲れたっしょ!?」
よう子「えっ!? うん…。少し…。でも、夕ご飯作らなきゃ…。」
そら「いいよ。オレが作るから。横になってて。ね。」と言いながら、普段、よう子がしているエプロンを身につける。
よう子「大丈夫だよ?」
そら「大丈夫じゃないっしょ。明日は、慰安旅行なんだし、安定期に入ったからって無茶しないでよ。ね。」
よう子「はい…。わかりました…。」
そら「先に、お風呂に入っちゃって。」
入浴している間に、そらは、炒飯を作った。
2人でそらの作った炒飯を食べ終わり、
そら「よう子、オレ、お風呂入ってくるから。」
よう子「はい。」疲れたのか、横になると、瞼が重くなりうとうととする。
そら「よう子。あれっ、寝ちゃってる…。疲れてたんだね…。オレも寝よう。」とよう子を抱き締め、横になる。
その頃、海司は、みどりへのプロポーズ作戦を考え始めた。