ひとつだけの愛
□そらと○○のひとつだけの愛 第6話
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翌日ー。私は、お父さんに話をするために官邸に来ていた。もちろん、そらさんと。
そら「総理、お話があります。」
よう子「お父さん、あのね…。今、そらさんと住んでるのは、知ってるよね」
総理「それは、承知しているよ。世間の目もある。もう、そろそろ、よう子のアパートを引き払って、正式に一緒に暮らしなさい。」
よう子「いいの…?」
総理「娘の幸せを願わない親はいないよ。」
そら「総理…。ありがとうございます。」
よう子「お父さん…。ありがとう…」
総理「よう子…。お前の幸せは、私の幸せだから。」
よう子「はい…。あっ、お父さん、大阪に行って来たの。お土産。」
総理「ありがとう。」
そら「失礼しました。」と一礼して、執務室を後にする。
SPルームに行くと。
よう子「こんにちわ。」
そら「入って。座ってなよ。今、紅茶入れるね。」
よう子「ありがとう。」と紅茶を飲んでいると、
海司「いや、だから、あれは違うって…。」
瑞貴「何が違うんですか? そらさんにバレたら、しばかれますよ」と言いながら入ってくる。
2人「あっ。そらさん、よう子さん…。」
そら「なになに オレが知ったら、しばくって何かなぁ 海司くーん、瑞貴くーん」
よう子「そ、そらさん…」
瑞貴「昨夜、夜勤してたら、仮眠中に、寝言で…。」
海司「バ、バカ…。寝言でよう子の名前、呼ぶわけないだろう。」
そら「ふーん。寝言でよう子ちゃんの名前、呼んでたんだ〜。このお口かなぁ」と言って、海司の口を引っ張る。
瑞貴「海司さん、自爆してどうするんですか(笑)」
よう子「ホントですね」
そら「寝言で、よう子ちゃんを呼んでもいいのは、オレだけだっつーの」
瑞貴「えぇ〜っ いいじゃないですか〜。寝言ぐらい…。」
海司「そうすっよ〜。そらさん。よう子とはそらさんは、婚約してるんだからいいけど…。おれ達、寝言ぐらいいいじゃないっすか。」
そら「ダメダメダメ、絶対にダメ よう子ちゃんは、オレの彼女だし。」
瑞貴「よう子さん、束縛されて辛くない」
よう子「そんなことないです。愛されてますから?」とそらさんを見ると満足そうにニコニコしている。
そら「だよねー よう子ちゃんのそういうとこ、大好き。ぎゅっしていい」
よう子「ここでは、みんな居るし、恥ずかしいから…。ダメですよ」
そら「えぇ〜ダメなのぉ〜。じゃあ、帰ったらいい」
よう子「…。」
瑞貴「完全に2人だけの世界になってますね…。」
海司「おれ達の存在、ないっすよね。」
瑞貴「この前、大阪に2人きりで行って来たんですよね。何か、進展ありました?(笑)」
よう子「えっ……。(照)」
海司「よう子、わかりやすい。顔に出てるって。」
そら「瑞貴ぃ〜。あんまりよう子ちゃんを困らせないでくれるかなぁ〜」
瑞貴「さぁ〜。どうでしょう? でも、結局は進展ありってことですよね」(瑞貴さん、鋭い。バ、バレてる…。そらさんは…。)
そら「そりゃ〜、結婚をしようって考えてるんだから、当然っしょ」(そらさん…、恥ずかしいから…。)
海司「よう子、猿のケツみて〜に、真っ赤だぞ」
よう子「もう〜、海司、からかわないで ホントに恥ずかしいんだから…。」
そら「あっ、よう子ちゃん、そろそろ、バイトに行く時間っしょ」
よう子「えっ あ、ホントだ。じゃあ、行って来ます。」とバイトに向かう。
そら「帰り、迎えに行くから。」
よう子「はぁ〜い。」
バイト先で、米崎って人が新人で入って来ていた…。
店長「よう子ちゃん、この間から、バイトに来ている米崎くん。○□大学のボクシング部に所属しているんだって。」
よう子「玉川よう子です。よろしくお願いします。」
米崎「キミ、かわいいね オレと付き合ってよ。」
よう子「えっ ごめんなさい 私、彼がと言うか、婚約者がいますし、無理です。ごめんなさい。」と断るが…。
バイトも終わり、そらさんが迎えに来てくれる。それを、嫉妬深い眼差しで見ていた。
それから、米崎さんは、執拗につきまとい始めた。
私は、バイト以外の日は、引っ越し準備でアパートに戻って、ダンボールに荷造りしていた。
夕方は、そらさんか、瑞貴さん、海司が迎えに来てくれていた。
あの米崎って人が、怖くて、そらさんに話していた。
でも…。