ひとつだけの愛 


□そらと○○のひとつだけの愛 第8話
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午後1時半、そろそろ、セーターを紙袋にしまう。
そらさんが、帰って来るから。

私の携帯が鳴る。ディスプレイにそらさん。帰るコールは必ずしてくれる。

よう子「もしもし〜?」

そら「よう子ちゃん? オレ。今から、帰るから…。」

よう子「はぁ〜い。わかりました。」

そら「買い物しよっか

よう子「はい。」

そら「じゃあ、スーパーの前で待ってるから。」

よう子「はい。」コートを着て自宅を後にする。

スーパーの前で、そらさんが待っている。

そら「よう子ちゃん。」

よう子「そらさん。」どちらからともなく、恋人繋ぎをする。

よう子「今日は、寒いからお鍋にします?」

そら「うん。そうだね。」

よう子「何鍋にします?」

そら「キムチ鍋 あと、ビールもいい?」

よう子「はい。わかりました。」

キムチ鍋の素や、豚バラやもやし、ニラ、白菜などと、お弁当のおかずとかを買っていたら…。

瑞貴「あっ、そらさん、よう子さん。」

よう子「こんにちは。」

そら「あっ、瑞貴。お前、何やってんの?」

瑞貴「散歩ですよ。散歩。帰りに、買い物しようと思って。お2人は?」

そら「夕食の買い物だけど?」

瑞貴「へぇ〜。仲直りしたんですね。良かったです。」

そら「だから、喧嘩なんてしてないっつーの

瑞貴「よう子さん、そらさん、大変でしょ

よう子「そんなこと、ないですよ。大切にしてくれてます。」

そら「瑞貴、オレら仲良しだから。」

瑞貴「はいはい。じゃあ。」

そら「じゃーなー。」

買い物も終わり、スーパーのポリ袋を下げ、手を繋ぎながら帰る。

そら「明日さ、急なんだけど、よう子ちゃん、公務が入ったよ。」

よう子「えっ…。そうなんですか?で、警護は…?」

そら「オ・レ。」

よう子「そうなんですか。何の公務ですか?」

そら「んとね…、国連の大使の方々とのパーティーだって。」

よう子「そらさんと一緒なら安心です。」

そら「またー、よう子ちゃんかわいいことを。ぎゅっとしていい?」

よう子「外だから…。ちょっと…。恥ずかしいです

そら「じゃあ、帰ったらね。」

マンションに帰宅。

玄関に入ると、すぐにそらさんは、抱き締めてキスをする。

そら「よう子、好きだよ。」

よう子「そらさん…。」

そら「よう子…。」と言ってお姫様抱っこされて室内へ。

よう子「明日は、早くから?」

そら「うーん。多分…。明日は、なんか、オレも正装しなきゃいけないらしくてさ…。」

よう子「そうなんですか?」

そら「どうやら、お父さんが主催したみたいなんだよね。」

よう子「へぇ〜。お父さんが。」

そらさんの着替えを手伝いながら、

そら「今日は、寒かったね。」

よう子「ホント、鍋が恋しくなりますよね

そら「今までは、1人鍋だったり、海司や瑞貴とワチャワチャして、鍋してたけど、今年からは、よう子ちゃんと二人鍋だもん。」

よう子「そらさん…。」

休憩して、夕食の準備を始める。

そら「オレも手伝っていい?」と後ろから抱き締められる。

よう子「びっくりした〜。そらさん、疲れてるから、いいですよ

そら「でも、手伝いたいんだ。」と言って、お願いキラキラ目線に…。そらさん、反則だよ〜。

2人で野菜や材料を切り、テーブルに電気鍋を出す。そらさんリクエストのキムチ鍋を作る。そらさんは、ビールを一本飲みながらつついている。

そら「1人鍋より、やっぱ好きな子と食べる鍋って、美味しい。ご飯ちょうだい

よう子「はい。」とご飯をお茶碗によそい渡す。

そら「あのさ…、昨日のことなんだけどさ…。」少し俯きながら、話し出す。

よう子「えっ

そら「バレンタインデーにサプライズを考えてくれてたんだよね? 気持ちは、すっげー嬉しいよ。だって、大好きな女の子が、必死で考えてくれたんだもん。」

よう子「そらさん…。わかってたんですか…?」

そら「うん。海司が手芸屋さんで見たって聞いた時から、なんとなく…。時間聞いたりしたのも、オレにバレたくなかったんだよね?」

よう子「はい…。」

そら「夜勤の時も、寝ないで編んだりしてたっしょ 目が赤かったもん。無理して、また、倒れたらどうすんだよ?って思ったんだ。」

よう子「……。」

そら「サプライズじゃなくてもいいからさ、無理だけはしないで。ね?」

よう子「はい…。ごめんなさい…。」サプライズは出来なくなったけど、そらさんには、隠し事出来ないなぁって思った。

そら「……ホントに無理したらダメだよ?」

よう子「そらさん…。」

そら「明日は、一緒に官邸に行こうね。」

よう子「はい。」

二人で、キムチ鍋をつつき、まったりとした時間が流れた。
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