ひとつだけの愛
□そらと○○のひとつだけの愛 第11話
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出席者名簿を提出し、そらさんが、風邪を引いてダウンしてしまった。
そら「ハ、ハックション。ハックション。」
よう子「そらさん?」
そら「大丈夫だよ。ハ、ハックション。」
よう子「もしかして…。風邪、引いちゃったんじゃないですか?」
そら「また、そんな顔する〜。大丈夫だよ。」
よう子「大丈夫なわけないじゃないですか。そらさん、体温計です。体温計ってください。」
そら「…。計らなきゃダメ」と言いながら渋々計る。電子音がして、体温計を見ると
よう子「39℃近くも、あるじゃないですか ベッドに寝てください。」
そら「…。仕事、行かなきゃ。」
よう子「無理ですよ。そんな熱があるのに…。お式も近いんだし…。無理しないでください。いつも、私にそう言ってるのは、そらさんじゃないですか。今、警護課に電話しますから。ベッドに寝てください。」と言って警護課に連絡をする。
よう子「もしもし?桂木さんの携帯電話でしょうか?広末ですが。」
桂木「よう子さん?どうかしましたか?」
よう子「あのっ、主人、そ、そらさん、風邪を引いたみたいで、熱がありますのでお休みします。すみません。」
桂木「了解しました。お大事に。」と言って切る。
アイスノンと冷えピタを、冷凍室と冷蔵庫から、出して来て…。
よう子「そらさん、頭、上げれますか?アイスノンです。」
そら「ん。…ありがとう…。ゴホンゴホン…。」
よう子「咳が出てきましたね…。少し冷たいけど、おでこに貼りますね。今から、お粥、作りますから。」と言ってキッチンへ。
お米を研いで、お粥を作り始める。
そらさんの様子が気になり、見に行くと…。
そら「…。」時折、苦しそうに咳をするが、静かに寝息を立てている。
よう子「そらさん…。早く、元気になって…。」と言いながら、頬にキスを落とす。
お粥が出来上がり、梅干しとお薬ともに、寝室まで運び、
よう子「そらさん、お粥、食べれそうですか?」
そら「ゴホンゴホン…。ん…。食べれそうかな。」
お茶碗を渡すと、そらさんは、お粥を食べる。梅干しも食べる。
そら「うん…。美味しい…。」
よう子「お薬です。」
そら「よう子ちゃん、ありがとう…。」
よう子「寝ててくださいね。」
そら「ありがとう。じゃあ、寝るね…。ゴホンゴホン。」
よう子「スポーツドリンク、買って来なきゃ。」
そらさん、寝てるかなぁ。と様子を見ると、眠っている。時折、苦しそうに咳き込む。
近所のコンビニに行き、スポーツドリンクと、そらさんが食べれそうな物を買う。
そっと、おでこを触ってみるとまだ熱い…。夕方にでも、病院に連れて行かなきゃって思う。
私は、ずっとベッドの横で、そらさんの看病をする。
そら「よう子…ちゃん、…おトイレ…に行くね。」と言う。一人でトイレに行こうとするがふらつく。そらさんを支えながら、トイレの前まで行き待つ。
よう子「そらさん、病院に行きましょう?」
そら「…。よう子ちゃん…。大丈夫だよ?」
よう子「行きましょう?お願いですから…。」
そら「…。わかった…。」近所のかかりつけの内科に行く。
受付「広末さん、中にどうぞ。」と呼ばれ、中に入る。
木村「うーん、風邪ですね。2、3日休めば大丈夫でしょう。」
そら「はい。ゴホンゴホン…。」
木村「お薬、出しますね。ところで、奥さんですか?」
そら「はい。ゴホンゴホン。1月22日に入籍しました。」
木村「総理のお嬢さんですよね」
よう子「はい…。あの…、そらさんの具合は…?」
木村「風邪と疲れですね。2、3日寝たら大丈夫ですよ。」
よう子「ありがとうございます。」と言って、待合室で会計待ち。
そら「風邪か…。ゴホンゴホン…。」
よう子「そらさん…、大丈夫ですか?」と背中を心配そうにさする。
受付「広末そらさん、お待たせしました。お薬です。今日は、2,080円です。お薬は、食後三回で、三日分出しますね。」
よう子「ありがとうございます。」
そらさんと手を繋ぎマンションに帰った。
よう子「そらさん、寝てください。」と言って、ベッドに寝かせる。
そら「ね、よう子ちゃんに看病してもらうのって、初めてだね…。ゴホンゴホン。」
よう子「そうですね…。初めてですね。」
そら「よう子…、ぎゅっとして…。」
よう子「こうですか?」とベッドに座り、そらさんを抱き締める。
そら「元気なら…、美味しい…シチュエーションなのに…。」
よう子「そらさん…。また、そんなことを…。」
夕食は、卵がゆにした。
よう子「卵がゆです。食べれそうですか?」
そら「うん。お腹だけは空くんだよね。」
と卵がゆを食べる。
そら「よう子ちゃん、食べないの?」
よう子「私は、後でいただきます。お薬飲みましょう。」と水とお薬を渡す。
そら「ありがとう。だいぶ楽になったよ〜。」と笑顔で言う。
よう子「良かった…。寝てくださいね。」
そら「わかったよ。」
そらさんが寝たのを確認し、私は、残っている卵がゆを食べる。
私は、一晩中、そらさんの手を握りしめて、そらさんの看病をした…。
眠っているそらさんの、体温を測ったり、氷枕を交換したり…。
きっと、そらさんも同じ思いで、私が貧血で倒れた時、看病してくれたんだろうな…。
そう思うよう子だった。