ひとつだけの愛
□そらと○○のひとつだけの愛 第20話
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そらさんと自分のお誕生日に結婚式と身内だけのパーティーをした。
新婚旅行も、忙しくて、行けないんだろうなぁって思っていたら、そらさんのサプライズで、大阪、京都、奈良に旅行に連れていってもらった。
私のお腹の中には、大好きなそらさんとの赤ちゃん、しかも、双子ちゃんがいる。最近、つわりもマシになったけど…。
やっと、そらさんと一緒に暮らす嬉しさでいっぱいだった。
それが…。
お父さんの秘書の藤堂さんは、感じのいい人で、お父さんに頼りにされていた。藤堂さんは、私との結婚を望んでいたが…。
そんなある日ー。
そらさんが、官邸の2階でのお仕事を終え、階段を降りてる時に、何者かに突き飛ばされ落ちた。幸い、受け身を取ったから、左手を軽い打撲で済んだ。
そら「ただいま〜。よう子。」と抱き締める。
よう子「そらさん、お帰りな…。って、そらさん、手、どうしたんですか?」
そら「ん? 大したことないから。大丈夫。」
よう子「ホントに…、大丈夫ですか?」
そら「あ〜、もう、またそんな顔する〜。大丈夫だって言ったっしょ よう子、お腹の赤ちゃんに響くよ〜」
よう子「だって…。」
そら「だってじゃないっつーの。よう子、心配しないでよ。」
よう子「でも…。」心配そうに見つめる。
そら「あ〜もう、そんな顔しないで。胎教に悪いっしょ。単なる打撲なんだから。ね?」と肩を抱き寄せる。
よう子「どうしたんですか?」
そら「んー。階段から落っこちて、打撲しちゃいました。」
よう子「そらさん…。ホント、大丈夫ですか」
その頃…。
藤堂「総理、どうして、よう子さんと専属SPの広末との結婚を認めたんですか?」
総理「どうしてって、娘達は、真剣に愛し合っている。広末くんは、娘のピンチを何度も救ってくれた。仕事も熱心だ。」
藤堂「俺は、お嬢さんと結婚出来るって信じて頑張ってきました。それを…。」
総理「藤堂くん、君にはもっと、相応しいお嬢さんをって思っているよ。それに、秋には、双子ちゃんも誕生するし。娘のことは諦めてくれ。」
藤堂「わかりました…。お嬢さんとお腹の赤ちゃん、このまま、無事に終わるとは思うなよ。」
総理「それは、どういうことだ?」
藤堂「別に…。」(そらさんと私に対する憎悪が芽ばえる。)
数日後ー。
そんなことも知らずに、私は、そらさんにお弁当を持って来ていたついでに、官邸に忘れ物を取りに来た。
SPルームにてー。
よう子「こんにちわ。」
桂木「よう子さん。今日は何かご用ですか?」
よう子「はい。忘れ物を取りに来ました。あと、そらさんにお弁当を持って来ました。多めに作ったんで、良かったらどうぞ」
瑞貴「お昼、買いに行かなくてすみますね」
海司「調子、良さそうじゃん。」
よう子「うん。(^-^)」
昴「よう子、体調、どうだ?」
よう子「つわりも、マシになって来ました。」
そら「よう子ちゃん。」と抱きついた。
桂木「そら、お腹の赤ちゃんに響くぞ。」
そら「大丈夫ですよ。班長。ね。よう子ちゃん。」
よう子「はい あっ、そらさん、私、忘れ物取って来ます。」
そら「1人で大丈夫 ついて行こっか」と寄り添ってくる。
笑顔で、
よう子「大丈夫です。」
2階に、私が結婚式前に2週間、生活してた部屋に忘れ物を取りに寄る。
お父さんの秘書の藤堂さんが、よう子の姿を見つけ、声をかける。
藤堂「よう子さん。」
よう子「あっ、藤堂さん、こんにちわ。」と何も知らずに笑顔で挨拶をする。
藤堂「今日は、どうしたんですか?」
よう子「はい。忘れ物を取りに来ました。赤ちゃんの靴下なんですけど(*^_^*)」
藤堂「そうでしたか。妊娠してるんですよね?」
よう子「はい。今、3ヶ月で、もうすぐ4ヶ月になります。」
藤堂「そうですか…。よ、良かったですね。」幸せそうな笑顔に、嫉妬心が湧き…。下から、そらさんが、
そら「よう子ちゃん まだ〜?」
よう子「は〜い。そらさん、今、行きます。じゃあ、藤堂さん、失礼します。」と会釈し階段を降りようとした瞬間…。藤堂さんが、両手で私の背中を突き飛ばし、階段の下まで転げ落ちる。
藤堂「俺の気持ちも知らねぇで、死ねばいい」
よう子「きゃああああぁ。」咄嗟にお腹を庇い、左手や足を強打する。
そら「よう子」と倒れているよう子に駆け寄り、抱き起こして、必死に名前を呼ぶ。
そら「よう子 よう子」と叫び声で、医務室からも看護師さんが2人飛び出して…。
そら「大丈夫? しっかりして」
看護師「どうしたんですか?」
お腹を押さえながら…、
よう子「階段か…ら、…藤堂さん…に、…突き…飛ばされ…て…。お願…い……。そ…らさ…んと…私…の……赤ち…ゃん…を助…けて……。」と言ってそのまま気を失う。
そら「よう子…。しっかりして よう子」
看護師「揺らさないで すぐ、救急車を呼んで。早く お嬢さん、大丈夫よ。出血はないから、お腹の赤ちゃん、助かるから。みっちゃん。毛布。広末さんに渡して。広末さん、今すぐ、よう子さんを毛布でくるんで温めて。」
みっちゃん「はい」と医務室に戻り、毛布を持ってくる。
みっちゃん「広末さん、毛布を。」と渡す。
昴「どうした そら。」
そら「よう子ちゃんが、階段から突き落とされて…。」
昴「そら、落ち着け 大至急、救急車を。お嬢さんが、階段から突き落とされ、意識がない模様です。そら、落ち着け 早く、よう子を毛布で温めろ」インカムで救護班に連絡をする。
そら「…。よう子。」
瑞貴さんと、海司が階段で、藤堂さんを逮捕する。
そら「早く、救急車…。よう子、しっかりして。」抱き起こして、毛布で冷えないように抱き締めている。
よう子「………。ん…………。」ぐったりして、青ざめ、だんだん、呼吸が弱くなる。
看護師「ショック状態を起こしてる…。お嬢さん、大丈夫ですよ。しっかりして。」
救急車が来て、救急車内で酸素マスクをつけられ、病院に運び込まれた。
そら「よう子…。」手を握りしめ、心配そうに寄り添う。
そら「まだ、病院につかないんですか? 早く」
その頃、桂木さんは、昴さんから、
昴「班長、大変です。よう子が…。」
桂木「昴…?よう子さんがどうかしたのか?」
昴「はい…。秘書の藤堂に階段から突き落とされました。」
桂木「な、なんだって よう子さんやお腹の赤ちゃんは、大丈夫なのか?」
昴「そらが病院に付き添いました。」
ドアがノックされ、
総理「桂木くん、いいかな。」
桂木「総理…。お嬢さんが、大変なことに…。」
総理「よう子に、何かあったのかい?」
昴「実は、藤堂がよう子さんを…。階段から突き落としました…。」
桂木「そらが、病院に付き添って病院に行きました。」
総理「よう子は、大丈夫なのか?」
桂木「総理、病院に向かいましょう。」と車で搬送された病院に向かう。