@剣の章

□となりの大家さん
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次の日…

集合場所に姿を現したのは、ミイとサッシーの2人だけだった。

サッシー
「キタリエは?」
ミイ
「寝坊か…」
「仕方ない、起こしに行こう。」

2人がキタリエのアパートに着くと、部屋では無限にアラームが鳴り続けていた。

サッシー
「うるさっ!!」
ミイ
「この音量で起きないなんて…」

2人が両耳を塞いで呆れほうけていると…

となりのアパートから1人の女性が迷惑そうにドアから出てきた。

女性
「マジうるさいよ、キタリエ!!」

女性がキタリエのアパートのドアの前で、おたまでフライパンを打ち鳴らした。

ミイ
「君は?」
女性
「うち?」
「うちはこのアパートの大家でシヅカって言うんよ。」
サッシー
「いつも、こうなの?」
シヅカ
「うん…」

そう言うとシヅカは困った顔をした。

ミイ
「どうすれば起きるの?」
シヅカ
「いつもならうちの作る朝ごはんの匂いに釣られて起きるんやけど…」
「あいにく今日は食材切らしちゃって…」

更にシヅカが困った顔をした。

ミイ
「その食材はどこに?」
シヅカ
「いつも東の森で狩ってくるんよ。」
ミイ
「分かった、私たちも手伝うから一緒に狩りに行こう!」
シヅカ
「手伝ってくれるんはうれしいけど…」
「マジにいいん?」
ミイ
「私たちも急いでいるんで。」
シヅカ
「マジ助かる。」
サッシー
「所でさ…」
「“狩る”って言ってたけど、そんな格好で大丈夫なの!?」

シヅカの格好はエプロンを羽織っただけの薄着だった。

シヅカ
「大丈夫!」
「『できませんは言いません!!』」

そう言ってシヅカは背中から巨大フライパンやら、腰から分厚い肉斬り包丁やらを取り出して見せた。

その時、サッシーは内心思った。

サッシー
(この子、スゴい…)
(私とは大違いだ。)
(私なんて、『できませんしか言いません!!』なのに…)

今日この時よりサッシーはシヅカに興味を持ち始め、互いに仲の良い存在になるのだった。
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