@剣の章

□炎上路線
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その後、シヅカたちは順調に食材をゲットしていった。

その時、ミイが森の異変を察知した。

ミイ
「何か森の様子が慌ただしいのは気のせい?」
シヅカ
「来る…」
サッシー
「“来る”って…」
「何が!?」

突如、茂みから現れたのは黄金色に輝く巨大なイノシシの姿だった。

サッシー
「って…」
「でか!!」
「&眩しっ!!」
シヅカ
「ついに見つけたで、グルメレベルB…」
「その黄金色に輝く肉は、食べた者の舌を唸らせると言うグルメモンスター…」
「ゴールデンボア!!」

シヅカの蘊蓄はともかく、ゴールデンボアは森を荒らされてかなりの御立腹のようだ。

ミイ
「くっ、やるしかない…」

ミイが腰の鞘から剣を抜こうとしたその時…

シヅカ
「ミイちゃんは手出さんといて!!」
「せっかくのレア食材が台無しになるやん。」

ミイはシヅカに言われたとおり、剣を抜くのを辞めにした。

しかし正直、サッシーとシヅカがこの巨大モンスター相手に渡りあえるか不安に思った。

そう思った矢先、やはり不安は的中した。

ゴールデンボアが弱そうなサッシーに狙いをつけ突進してきた。

ミイ
「逃げて、サッシー!!」

だがサッシーは恐怖のあまり、尻餅をつき動く事さえできない状態になっていた。

サッシー
「こ、こっちに来ないでー!!」

サッシーが死を覚悟したその時…

シヅカ
「くらえ…」
「秘技『クッキングファイヤー』!!」

シヅカの熱した巨大フライパンから炎が燃え上がり、ゴールデンボアの巨大を燃やした。

サッシー
「し、死ぬかと思った…」

だがゴールデンボアの猛攻を一時的に怯ませたものの、炎は時間と共に消えようとしていた。

シヅカ
「マジ、火力不足!?」
ミイ
「仕方ない…」
「食材は台無しになるが私が行こう!」

ミイが再び腰の鞘に手を掛けるが、今度はサッシーがそれを止めた。

ミイ
「サッシー!?」
サッシー
「私だってやればできる!」

サッシーがフラフラしながら呪文を詠唱した。

「炎のマナよ…」
「いでよ…」
「『バーニングロード』!!」
サッシーの放った火炎魔法が、炎上路線となってゴールデンボアを襲った。

サッシー
「もう一発行くよ!!」

サッシーは早口を活かした高速詠唱で『バーニングロード』をもう一発お見舞いしようとした。

しかし、シヅカは…

シヅカ
「もうええ…」
「これ以上燃やすと黒焦げになって台無しになってしまうやん。」
サッシー
「って、もう遅い!!」
シヅカ
「そ、そんなん…」

だが、その炎がゴールデンボアにヒットする事は無かった。

ミイ
「スベった…」
「サッシーの魔法の未熟さが功を成した。」
シヅカ
「ほっ…」
サッシー
「“結果オーライ”ってね…」

サッシーのオチはともかく、程よく焼け上がったゴールデンボアを倒すのは容易い事だった。

ミイ
「一件落着ね!」
「って、何か小便臭くね!?」
サッシー
「ごめんなさい…」
「さっきのアレで漏らしちゃった。」
ミイ
「ヘタレな上、お漏らしとは…」

ミイが呆れた顔で深くため息をついた。

シヅカ
「大丈夫、うちなんて4日間同じパンツ履き続けた事あるんやから!」
サッシー
「って…」
「それと一緒にしてほしくなっ!!」

シヅカの4日間同じパンツ履き続けたのには、さすがに2人共ドン引きだった。
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