@剣の章

□気功拳
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サヤカが自らの拳に気を溜めた。

「行くよ…」
「『気功拳』!!」

その瞬間、サヤカの拳から気の衝撃波が放たれた。

衝撃波は一直線へと飛んでいき、直接上のものを全て破壊した。

となりで戦っていたサッシーとサエは…

サッシー
「何、今の…!?」
「ってか、大丈夫キタリエ…!?」
サエ
「体内の気を拳に集め一気に放つ『気功拳』…」
「サヤカにアレを撃たせたんだ。」
「たいしたもんだよ、あの子…」
「だが今のでサヤカも相当体力を消耗したはず…」
サッシー
「そ、そんな事よりキタリエは…!?」

爆風が治まり視界が晴れたが、キタリエの姿はそこには無かった。

サッシー
「そ、そんな…」
「キタリエ!!」

サッシーが叫んだがキタリエが応じる事は無かった。

だが…

『気功拳』の直撃からギリギリ外れた大きな岩場の陰では、何とか直撃をかわしたキタリエが反撃のチャンスを伺っていた。

キタリエ
(危なかった…)
(あんなの喰らったら命がいくつあっても足りないよ。)

キタリエが無事と知らないサッシーは、キタリエの名前を連呼していた。

キタリエ
(ああ、サッシーがあんなにも私の名前を…)
(私は良い親友に恵まれたよ。)

キタリエがサッシーに感動していると…

サッシー
「よっしゃ、これで次期勇者の座は私のものよ!!」

キタリエを勝手に殺して、自らの野望に浸る始末だった。

キタリエ
(一瞬でも私がサッシーを親友だと思った事が情けない…)
(でも、それより…)
(いい事聞いちゃった!!)
(サエが言うにはサヤカは『気功拳』を撃って体力激減してるらしいじゃん。)
(これは今がチャンスね。)

キタリエは考えた。

キタリエ
(一発…)
(一発でいい…)
(一発だけサヤカに剣を当てる事ができたら…)

キタリエは慎重にチャンスが来るのをじっと待った。
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