A魔法の章

□うっしースプレー
1ページ/2ページ

サラはサヤカの猛攻により苦戦を強いられていた。

サラが力任せに振るった戦斧は事如くかわされた。

ナン
「あのサラちゃんが苦戦している!?」
「ファイトだぴょん、サラちゃん!!」

ナンの掛け声にサラは気合いを入れ直すと闘争心を剥き出しにした。

サラ
「『うっしっしー!!』」

サラが雄叫びと共に自らの角兜をサヤカ目掛けて頭突きをかました。

サラ
「『バイキングホーン』!!」

だが…

間一髪サヤカが両角を捕らえてそれを阻止した。

サヤカ
「危なかった…」
「こんなの喰らったらさすがに私も命が無かったよ。」
「それにしても…」
「“牛”みたいなヤツだな。」

この時サラは口に出さなかったが内心思った。

サラ
(私が“牛”なら、あなたは“ゴリラ”じゃん!!)

と…

だがサヤカはまるでサラの心を読んだかのように…

サヤカ
「だ・れ・が…」
「“ゴリラ”だって!?」

怒りと共に兜ごとサラを投げ飛ばした。

サラが投げ飛ばされると、サラが起き上がる事は無かった。

ナン
「あわわわわ…」
「あのサラちゃんを投げ飛ばすなんて…」
「なんて“馬鹿力”なんだぴょん!?」
「こうなったら“アレ”を使うしかないぴょん。」

そう言ってナンはいつものようにバッグを漁くると…

ナン
「アレ!?」
「無い、無い、無い…」
「あった!!」

そう言ってナンがバッグから取り出したのは1本のスプレーだった。

ナン
「『うっしースプレー』ここ!!」

早速ナンは気絶したサラに『うっしースプレー』なるものを噴射した。

次の瞬間サラの身体に異変が起こるとサラの身体が巨大な牛へと変化した。

サヤカ
「何!?」
「本物の“牛”に変身した!?」

牛化したサラが起き上がると“猛牛サラ”はサヤカ目掛けて突進した。

さすがのサヤカも猛牛の角には耐え切れず吹き飛ばされた。

サエ
「サヤカ!」

サエが心配するとチカリーナも自らの身体を起き上がらせサヤカの方へと駆けつけた。

チカリーナ
「あの子が“魔獣化”した今…」
「あなたに“勝機”はないわ。」
サヤカ
「そ、そんな…」
チカリーナ
「でも1つだけ勝てる方法があるわ。」
「とか言って〜」
サヤカ
「!?」
チカリーナ
「“魔獣を”には“魔獣”で対抗するの。」
「つまり…」
「あなたを一時的に“魔獣化”する事になるけど…」
サヤカ
「分かった…」
「やってくれ。」

サヤカは潔く決断すると、早速チカリーナは“魔獣化”させる魔法をサヤカにかけた。

するとサヤカの身体はみるみる巨大なゴリラへと変化していった。

サエ
「やっぱり“ゴリラ”か…」

最後にチカリーナが猛獣使いの如くサヤカに鞭を振るうと“猛牛サラ”に対抗させた。

サエ
「“ゴリラ”と“猛牛”…」
「一体どっちが強いんだ!?」
チカリーナ
「“ゴリラ”のほうが強いに決まってるわ。」

だがナンは…

ナン
「“猛牛”に決まってるぴょん。」

2人の意見はともかく、優勢していたのはサヤカのほうだった。

しばらくの激闘の末、勝利をもたらしたのはサヤカだった。

サエ
「恐るべし『ウッホウッホホパンチ』…」

サエが勝手に技名をネーミングした。

ナン
「あわわわわ…」
「こうなったらもう1本“魔獣化スプレー”を追加するぴょん。」

そう言ってナンは気絶した残りの2人を叩き起こすと、2人のうちミナルンを選んだ。

ミナルン
「わ、私…!?」
「わ、私はいいぞ。」
「あんなふう(ゴリラとか)になりたくないし…」
ナン
「うるさいぴょん。」
「黙って私の指示に従うぴょん。」

そう言ってナンは無理矢理ミナルンにスプレーを振りかけた。

だが…

ナン
「あれ!?」
「変化なしぴょん?」
ミナルン
(ほっ…)
ナン
「って、よく見ると…」
「“年増”の“おばさん顔”が、本物の“おばさん”になってるぴょん。」
ミナルン
「そ、そんな…」
「ふざけるなだぞ、ナンちゃん!!」
ナン
「あわわわわ…」
「ごめん、ミナルン。」
「ここは一時撤退ぴょん!」

そう言ってナンはミナルンたちを置いて逃げるように撤退していった。

ミナルン
「あ、待て!」

ミナルンもまた残った2人を置いてナンを追いかけた。

ワカニャン
「お、おい!」
「くっ…」
「私たちも撤退だ。」

最後にワカニャンが変身が解けたサラを担いで撤退していった。

しばらくするとサヤカの“ゴリラ化”も解かれた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ