BAの章

□眠眠剣
1ページ/2ページ

ナッツミィは3人の手数の多さに苦戦を強いられていた。

ナッツミィ
(さすがに3人同時相手はキツイみん…)
(こうなったら…)

ナッツミィが次の戦術を思い付くと、剣を3人に向けて、それをクルクルと回転させた。

ナッツミィ
「いくよ、みんみんみん…」
「くらえ、『眠眠剣』!!」

ナッツミィの剣先がクルクル回転されると…

ユッタン
「ってか、それって…」
「思いっきし、“某グループ”のパクり技やん!!」
サエ
「そ、そんな事よりも…」
「何か眠くない…?」
タカミナ
「いけないっす、2人共ヤツの剣先から目を反らすっす!」

だがタカミナが言うより遅く、2人が眠りに落ちると、タカミナもまた眠りに落ちた。

ナッツミィ
「フっ…」
「他愛もないみん。」
「それじゃ…」
「まずは予定どおり、リーダーであるコイツを…」

そう言ってナッツミィがタカミナに向けて剣を降り下ろそうとした、その時…

タカミナが目を覚まし、フラフープによる不意討ちをナッツミィにかました。

ナッツミィ
「なっ…」
「もう眠りから覚めただと!?」
タカミナ
「“早起き”は昔から得意っす。」
ナッツミィ
「ば、ばかな…」

更にタカミナは…

懐から目覚まし時計を2つ取り出すと、それをサエとユッタンのほうへと投げつけた。

目覚まし時計が凄まじいアラーム音と共に2人の頭を直撃した。

目覚まし時計の音と打撃のコラボレーションにより、2人が目を覚ましだした。

サエ
「ふぁ〜、よく寝た…」
ユッタン
「何やもう朝か…」
タカミナ
「2人共、何寝ぼけてるっす。」
「今は戦闘の真っ最中すよ!」

タカミナがリーダーらしく2人に喝を入れた。

サエ
「はっ…」
「そうだった確か私たちは…」
ユッタン
「この姉ちゃんの“パクり技”の催眠術によって、眠らされてたんや。」
ナッツミィ
「“パクり技”って言うなみん!」
「ってか…」
「もう1回みん!!」

そう言ってナッツミィが再び『眠々剣』を放とうとするが…

ユッタン
「剣先を見なければ楽勝や!」

そう言ってユッタンが自慢の脚力でナッツミィを追い詰めると、自らの武器である巨大そろばんを降り下ろした。

ユッタン
「『クレイジーマネー』や!!」

ユッタンのそろばんが降り下ろされると、ナッツミィが所持金を撒き散らしながら吹き飛んだ。

ナッツミィ
「そ、そんな〜」
「私の残り少ない所持金が〜!!」
ユッタン
「何や。」
「まだ仰山金持ってたんか。」
「ウヒャヒャヒャ…」

そう言ってユッタンが下品な笑みを浮かべながら、撒き散らされた金貨を拾い始めた。

吹き飛ばされたナッツミィは…

ナッツミィ
「くそ、覚えてろみん!!」

そう言ってナッツミィはタカミナに指を差し捨て台詞を吐くと、森の奥へと姿を消した。

指を差されたタカミナは…

タカミナ
「えっ…」
「何で私だけっすか!?」

タカミナが、ふと疑問に思った。

サエ
「さて敵も退けたみたいだし先に進むよ。」

だが…

ユッタンは目を$マークにしながら、撒き散らされた金貨を1枚足りとも見逃さず、かき集めていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ