BAの章

□サマーズ
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ナッチの工房の帰り道―

ナッチを加えた5人の前に、2人の少女が立ち塞がった。

『サマーズ』のナッツミィとナツミだった。

ナッツミィ
「アンタたち、さっきはよくも…」
「今度は私たちが2人で相手だみん!」
ナツミ
「って…」
「何でナッチが“そいつら”と一緒にいるのよ?」
タカミナ
「やれやれ、またアンタたちっすか…」
ナッチ
「“そいつら”って…」
「一体どう言う事っち?」
「私は訳あってこれから“この人たち”のギルドに入る事になった所っちよ。」
ナツミ
「“訳あって”って…」
「コイツらは森の侵入者なのよ?」
ナッツミィ
「結果私たちはコイツらの返り討ちに遇ったんだみん。」
タカミナ
「ってか…」
「自分たちから襲ってきたくせに何を言ってるっす。」

タカミナがぼそっとそう言うとナッチは…

ナッチ
「この人たちは侵入者なんかじゃないっち。」
「私がこの人に仕事で迷惑を掛けたばっかりに、わざわざ森に足を踏み入れる事になっただけなんちよ。」
(それに…)
(侵入者はむしろ…)
(シオリンと、その仲間たちっち…)
ナッツミィ
「何だ、私たちの勘違いだったのか。」
ナツミ
「何か私たちの早とちりで間違えちゃって…」
「“ゴメンね?”」

そう言って2人がタカミナたちに頭を下げるとナッチも…

ナッチ
「私からも『サマーズ』を代表して謝るっち。」
「仲間である2人が勘違いとは言えアンタたちを襲ってしまって…」
「本当申し訳ない事したっち。」

そう言ってナッチも4人に深々と頭を下げた。

ユッタン
「ってか…」
「アンタも『サマーズ』の1人だったんかい!?」
サエ
「私とユッタンがナッチと知り合いで良かったね、タカミナ。」
「タカミナだけだったらナッチにも襲われてたかもね。」
タカミナ
「もう襲われるのは懲り懲りっすよ…」
ナツミ
「所でさっき言ってたギルドって?」
ナッチ
「それっちけど、さっきも言ったとおり…」
「私はこれからこの人たちのギルドにお世話になる事になったんで、森を出るっち。」

そう言ってナッチはギルドのリーダーであるタカミナを指差した。

その指先の視線は決して自分の仕事の責任挽回などではなく、魔王に対抗する無謀なギルドのリーダーへの尊敬の眼差しの視線だった。

そんなナッチを見てナツミも…

ナツミ
「ナッチが行くなら私も行くよ。」
「それに私もアンタとなら仲良くやれそうな気がする。」

そう言ってナツミもタカミナを指差すと、ナッツミィも…

ナッツミィ
「ナッチちゃんとナッちゃんを惹き付けるなんてね。」
「私もアンタのそのカリスマ性の“支え”になるみん。」

ナッツミィもまた、タカミナへの忠誠を誓った。

タカミナを中心に新たに『AKB』に加わった3人、『サマーズ』…

ナッチは『チームB』に配属され、タカミナの無謀な野望に付き合い、尊敬を持ち続けた。

ナツミも『チームB』に配属され、タカミナと仲の良い関係となった。

ナッツミィは『チームA』に配属され、以後タカミナを支える存在となった。
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