BAの章

□Bird
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ユイたちはアンニンが残していったいちごの山を持ち帰ると、早速それをシヅカがダイエット用に調理した。

シヅカが手際良くストロベリーパイを焼いていると、匂いに釣られて他の『地方組』メンバー(キタリエ、サッシー、ミカポン)もシヅカの部屋へと訪れた。

ミカポン
「お腹空いた…」
キタリエ
「何て美味しそうな匂いなんだ…」
サッシー
「全く…」
「2人共、食い意地が張ってんだから…」

早速キタリエが熱々のストロベリーパイを頬張ると…

キタリエ
「ん…!?」
「シイちゃんにしては何か物足りなくない?」

味に肥えたキタリエが何か物足りなさに気付くと、シヅカは…

シヅカ
「これは元々ユイのダイエットを目的として作ったパイやからね。」
キタリエ
「何だユイ、コリンさんに託されたクエストの事気にしてたんだ?」
サッシー
「言ってくれれば私たちも協力してあげたのに…」
シヅカ
「それなら次の“焼き鳥ダイエット”を手伝ってや。」
キタリエ
「”焼き鳥ダイエット”!?」
サッシー
「“焼き鳥”なんかでダイエットできるの!?」
シヅカ
「ダイエット中でも思いっきり“肉”が食べたい…」
「そう言う時にオススメなのが“焼き鳥ダイエット”や!」
「特に“鳥肉”は肉のなかでも低カロリーで…」
ユイ
「ふむふむ…」
シヅカ
「よく噛む事によって満腹感も味わえるし…」
キタリエ
「なるほど…」
シヅカ
「唐辛子をトッピングする事によって“カプサイシン効果”もあるし…」
ミカポン
「“カプサイシン効果”?」
シヅカ
「“串の本数”で食べ過ぎも防止できるし…」
サッシー
「確かに…」
シヅカ
「ちゅう訳で次の目的地は鳥たちの王『不死鳥』が棲まうと言われている『不死鳥の山』や!」
サッシー
「ってか…」
「“不死鳥”ってからには死なないんじゃないの!?」
シヅカ
「大丈夫…」
「“不死鳥の巣”から雛を1匹頂くだけやよ。」
ユイ
「………」

だが、無類の鳥好きのユイとしては…

例え自分のダイエットの為とは言え、不死鳥の雛を奪う事に対し、多少の罪悪感を感じていた。

5人がそれぞれ旅支度するなか、やはり気乗りしないユイがシヅカに言った。

ユイ
「本当に親の不死鳥から雛を奪うん?」
「親からしてみたら何か可哀想やな…」
シヅカ
「何を言ってるんやユイ。」
「これもユイのダイエットをマジ成功させる為やないか?」
ユイ
「………」
キタリエ
「でも、もしも…」
「雛を盗んでる所を親鳥に見つかったらどうなるの?」
シヅカ
「そりゃ親からしたらマジぶちギレるやろな。」
サッシー
「ってか…」
「それだけは勘弁っしょ!?」
シヅカ
「大丈夫…」
「『元気があれば何でもできる!!』」
サッシー
「いやいや…」
「さすがに死なないモンスター相手じゃ、元気だけじゃ何ともならないっしょ!?」
シヅカ
「でもまあ気を付ける事にマジ越した事はないね。」
「何でも『不死鳥』は…」
「別世界『サカエ』の『三獣士』のうちの1人と言われてマジ恐れられてるからね。」
「強さだけで言ったら魔王クラスかも知れへんな。」
キタリエ
「『三獣士』ってからには、魔王みたいなのが他に2人もいるって事!?」
ミカポン
「別世界『サカエ』ってスゴい所なんだね。」

そんな不安のなか5人は支度を済ませると『不死鳥』の棲まうと言われる『不死鳥の山』を目指した。
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