BAの章

□幸運の申し子
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5人は山に着くと、梺にある山小屋で一時休憩を入れる事にした。

5人が小屋に入ると先客らしき1人の少女がいた。

シヅカが笑顔で挨拶すると、少女も礼儀正しく挨拶を返した。

更に少女が5人に言った。

少女
「もしかして登山者の人たち?」
シヅカ
「まあそんな所や。」
サッシー
「目指すは『不死鳥』のいる頂上だけどね。」
少女
「もしかしてアンタたち、あの“不死鳥”とやり合おうって言うの!?」
サッシー
「そ、それはさすがに…」
シヅカ
「『不死鳥』の雛鳥を頂くだけや。」
「雛鳥の焼き鳥を使ったダイエットフードで、この子をダイエットさせるんや。」

そう言ってシヅカがユイに指をやった。

ユイ
「………」
少女
「“ダイエット”ね…」

少女も太ったユイのほうを見たあと、自らの“ぽっちゃり体型”を気にしながら言った。

少女
「“ダイエット”か…」
「私もしてみようかな。」

少女は自らの腹肉を摘まむと、ぼそりと言った。

シヅカ
「それならアンタはんも一緒にどうや?」
「『不死鳥』の雛を探すの手伝ってくれたら、アンタはんにも『不死鳥』の焼き鳥作ってあげるよ?」

シヅカが何気に少女を誘うと、サッシーは…

サッシー
「ちょっとシイちゃん…」
「何言ってるのよ?」
「こんな小っちゃい子に登山なんて無理っしょ!?」

サッシーが自分の事を棚に上げシヅカに言うと、少女は…

少女
「大丈夫だよ。」
「『小っちゃくたって熱き想いはエベレスト級!!』ってね。」

そう言って少女がガッツポーズして見せると…

少女
「こんな山…」
「世界最高峰のエベレストに比べたら、どうって事ないよ!」

そう言って自らをアピールした。

シヅカ
「それじゃ決まりやね、えーと…」
少女
「私の名前はウッチーよ。」
「よろしく!」
シヅカ
「ウッチーか、ほなよろしゅう頼むわ。」
サッシー
「所でアンタ…」
「見た所“武器”のような物を持ってないみたいだけど大丈夫な訳?」

サッシーがウッチーの軽装な身なりに気付き言った。

ウッチー
「私の武器?」
「私の“武器”なら…」
「“コレ”よ!」

そう言ってウッチーは極真空手で鍛え上げた上段回し蹴りをして見せた。

ウッチー
「それと…」
サッシー
「まだあるの!?」
ウッチー
「誰にも負けない…」
「“強運”よ!!」

ウッチーの話によると彼女は生まれて17年間じゃんけんで負けた事がないと言われる幸運の持ち主だと言う事が分かった。
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