BAの章

□天から舞い降りた少女
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流浪の格闘家ウッチーを仲間に加えた『地方組』は、不死鳥の巣があると言われる山頂を目指した。

6人は途中鳥型モンスターの群れなどに襲われるものの、順調にそれらを撃退していった。

そんななかウッチーの実力はまだ荒削りな所があるものの、自身の体術と持ち前の強運でその道を切り開いてみせた。

そして、頂上…

シヅカ
「あった、あれが『不死鳥の巣』や!」

シヅカが慎重に巣に近付くと、その内の1匹の雛を手に取った。

その時…

上空から巨大な影がシヅカたちを覆い尽くすと、6人の前に1匹の巨大な鳥が舞い降りた。

シヅカ
「ア、アカン…」
「親鳥にバレてしもうた!?」
「み、みんな一気に逃げるよ?」

シヅカが5人に指揮すると、シヅカも雛を抱えて逃げる準備に取り掛かった。

だが、親鳥はそれを逃さなかった。

シヅカの腕に抱き抱えられた雛を取り戻そうと、不死鳥は執拗にシヅカを襲った。

シヅカ
「簡単には逃がしてくれへんみたいやね…」

そう言ってシヅカは慎重に辺りを見回すと…

シヅカ
「それ、パスや…!」

雛鳥を素早くユイのほうへとパスした。

ユイ
「えっ、私…!?」

すかさずそれをユイがキャッチすると、不死鳥は今度はユイに狙いを定めた。

だが、ユイは…

ユイ
「………」
キタリエ
「ユイ何やってるの、早く逃げるよ!?」

ユイが雛鳥を抱き抱えながらその場へと硬直していると…

ミカポン
「!?」

不死鳥の身体が巨大な炎に包まれると、次の瞬間…

不死鳥の姿が1人の少女の姿へとなっていた。

サッシー
「ひ、人型になった!?」

人型となった不死鳥がユイたちに言った。

不死鳥
「サカエ『三獣士』が1人…」
「この不死鳥“チュリ様”の可愛い雛を盗もうとはいい度胸してんじゃん!?」
ユイ
「………」
チュリ
「いいだろう…」
「お前たちには“鳥地獄”を味あわせてやる。」
「喰らうがいい、鳥たちの恐怖を…」
「いくのよパピ、ピノ、プチョ、ポポ!!」

そう言ってチュリと名乗った不死鳥の少女は、それぞれ名前の付いた4匹の巨大インコを召喚すると、それらをシヅカたちに襲わせた。

シヅカ
「こうなったらやるしかあらへんな…」

シヅカがそう観念した、その時…

サッシー
「ってか、ウッチーは…!?」

サッシーがウッチーの姿が無い事に気付いた。
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