CKの章
□お嬢様
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コジハルの『ち○ちん電車』に隠れ乗ってようやく『アキハバラ』へと辿り着いたワサミンは、早速『のど自慢大会』のエントリー受付場を目指した。
エントリー受付場―
ワサミン
(良かった、ギリギリ間に合って…)
そんなワサミンを遠くから鋭い眼差しで睨みつける1人の少女がいた。
“世界征服を企む少女たち”のなかから『チーム4』に選ばれたランランだ。
主に戦災などの孤児たちで結成された少女たちのなかで、唯一彼女だけが両親持ちだった。
それも『アキハバラ』で一、二を争う大金持ちのお嬢様だ。
だがなぜそんな何不自由なく育てられた箱入り娘が、“世界征服を企む不良少女たち”と行動を共にしているのか…
ランラン曰く―
両親は仕事が多忙で常に孤独…
それでは親がいないのと同じ事。
、との理由で身寄りのない世界征服を企む少女たちと共感を得たのだった。
そんなランランは金持ちを鼻にかける事なく少女たちと仲良くし、有り余るお金を使って少女たちをできる限りバックアップした。
少女たちが自由奔放に悪業ができるのは、ランランの支援あっての事と言っても過言ではなかった。
そして、今回も…
ランラン
(あの女(ワサミン)がここに来たと言う事は…)
(ユウちゃんめ、しくじったな…)
ユウちゃんこと『みんなのハート泥棒』ユウキを雇ってワサミンを妨害させたのは、ランランの仕業だった。
ランランは例えどんな手段を使ってでも、同じく『チーム4』の演歌歌手であるコマリを、この大会で優勝させたいと思っていた。
ランラン
「コマリ、絶対にこの大会で優勝して…」
「そしてアンタの“闇演歌”で世界中の人たちを恐怖と絶望に…」
ランランが話を続けようとするが…
ランラン
「って…」
「コマリ!?」
すでにコマリの姿はそこには無かった。
受付を済ませたコマリは、“ランランを置いて先に”帰ったみたいだった。