CKの章

□密売
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『のど自慢大会』当日―

『チーム4』の歌い手コマリの初戦は、前回の優勝者である『チームB』のユッタンだった。

ユッタンは今でこそ『よろず屋』を営んでいるが、元々は『アキハバラ』の“歌姫”として、その名を知らせていた。

そんな優勝候補相手に、“ぱっと出”であるコマリが太刀打ちできる訳がない。

そう思ったランランは、コマリを勝たせる為、ユッタンを“潰し”に掛かった。

ユッタンは各審査員にそれぞれ賄賂を贈ると、審査員たちはすぐにコマリに票を入れた。

結果、コマリが勝ちユッタンが負けとなった。

ユッタン
(まさかうちが初戦負けするなんて!?)
(それに、“あの子”(コマリ)の歌…)

ユッタンは自分が負けた事よりも、コマリが披露した“闇演歌”の事を気にしていた。

と、その時…

ユッタンの巨乳に挟まれた携帯からバイブ音が鳴り響いた。

携帯を覗くと、画面には“コジハル”と表記されていた。

ち○ちん電車の運転手コジハルの正体は、『アキハバラ』と『ナンバ』を繋ぐ仕入れ業者だった。

それも、本来『アキハバラ』では御法度の銃や重火器を専門とする密売業者だ。

ユッタンは人気のない“いつもの場所”でコジハルと待ち合わせると、早速その場へと向かった。

“いつもの場所”―

コジハル
「それじゃこれが今回の分よ。」

コジハルが大量の黒光りする鉄製の“もの”を、ごっそりとユッタンへと渡した。

ユッタン
「毎度!!」
「そいで何か変わった事はありまっか?」
コジハル
「1人…」
「厄介な“サツ”がいた事かな。」

そう言ってコジハルは、『ナンバ』の街を取り締まる警察官ナナの顔を思い浮かべた。

ユッタン
「そうでっか…」
「まあ充分気を付けてな。」
「それと…」
「もう一仕事頼みたいんやけど…」
「今度はこの“ショットガン”と…」
「その銃弾である『スノーバレット』を、『サカエ』にあるギルド『SKE』のマサニャっちゅう人に届けてほしいんや。」

そう言ってユッタンは黒光りするもののなかから、“一挺の獲物”と“ひんやりと冷たい銃弾”をコジハルに手渡した。

コジハル
「『サカエ』のギルド『SKE』のマサニャって人に届けるのね、分かった。」

獲物を受け取りち○ちん電車に乗り込むと、コジハルは『サカエ』のある西を目指した。

ユッタン
(“女子供”が銃や重火器を必要としてるんや…)
(物騒な世の中になったもんやな。)

コジハルを見送りながら、ユッタンは思った。
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