お話 短

□嘘って言ってくれ
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俺は唖然とした。


コイツ、今なんつった…?




「ご、め、べ…るッ」




嘘だと、思った。


いや、
嘘だと思いたかった。











コイツが、そんな訳ない。



今まで…10年も一緒に過ごしてきた仲じゃん。










その間で、


虫が苦手
危なっかしい

甘い物は大好き
高い所も大好き



フワフワな動物が大好き

とか、







俺の事を、


愛してくれてる。




コイツのすべてを知れたと思った。




否、
知れてると思っていたんだ。








だけど、んだよこの状況…







俺に隠し事をした、泣いてるコイツを前に、俺は突っ立ってる。












恋人、だよな?







隠し事はしない



約束、した、よな…?














なのに、なん…で…











「ガムが苦手なんて聞いてねぇしいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ」




嘘って言ってくれ

(ちょ、おま、まぢっ)
(う…んっ)
(今まであげてたガムとかは…)
(…頑張って、食べた、)
(…なんか、ごめんな。)

 

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