連載小説
□Black更正記 ♯1
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矢崎が早速新生徒会長を殴り飛ばした事件から、はや一ヶ月。
「おっはよー!矢崎くん!!
さあ話し合いをし…
ぐぉっ!?」
朝の廊下で手を振り笑顔で駆けてくる御浜に、出会い頭に一発。(腹部)
元気に駆けていた脚は膝から崩れ落ち、またも腹を抱え込む御浜。
「てめッ…性懲りもなくまた現れやがって…
お前!
俺が殴り飛ばした一ヶ月前から俺の行く先々に出没しやがってッ!!
何かッ!?
お前は俺のストーカーなのかッ!?」
「もちろん!
矢崎くんが僕と話し合いをしてくれるまで、僕は自信を持って君のストーカーだと名乗らせてもらうつもりだけどっ!?」
「んなことを自信持って即答すんな!!」
真顔で返した御浜に矢崎の怒号が跳ぶ。
「ッたく!付き合ってられっか!!」
「あ!矢崎くん逃げるのっ!?
それでも君はオトコかー!!」
「今さっき殴られた奴が何言ってんの!?
っとにかく!
俺はお前と話し合いなんか絶対にしねぇからな!!」
そう言い残し、矢崎はその場から逃亡した。
キョンと、目を丸くしていた御浜は、何事もなかったように立ち上がった。
そしてボソッと呟く。
「"話し合いは" …してくれないんだ。」
御浜はかすかに微笑を浮かべた。