物語

□日常
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【日常】

此処はマルクト帝国の首都グランコクマ。その軍本部の、最も奥にある一室。

そこに一人の女性が机と向かい合い、書類とにらめっこしていた。

彼女の名はジェイド・カーティス。第三師団の長…大佐というなかなかに位の高い役職に就いている。

槍術に優れ、また譜術のエキスパート。大抵、武に優れる者は学と言うちまちました作業は不得手の者が多いのだが彼女は書類に関しても淡々と機械的にこなしてしまう。

何より、戦場に出るたび骸を漁る…“死霊使い”という通り名に、その美貌。

彼女を知らぬ者はこのマルクト…いや、オールドランドにいないだろう。

そんな彼女は、ある悩みを抱えていた。

それは…

「ジェイド!しばらく匿ってくれ!!」

彼のこと。

彼を知らぬ者もまた、いないだろう。

輝いて見える金髪に、深い蒼の瞳。褐色の肌。よく豪快に笑う、目の前の男はピオニー・ウパラ・マルクト九世以外の何者でもない。
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