物語
□危険日
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【危険日】
「はぁ・・・」
マルクト帝国首都グランコクマ。その町にある軍本部のとある一室。
第三師団の師団長である、ジェイド・カーティスは重い溜め息を吐いた。
原因は簡単で女性だけの、月イチに来る症状…つまり生理、である。
ジェイドはなかなかに重い方で、もともと貧血気味だというのにさらに血が足りなくなってしまう。
頭痛、腹痛、腰痛も極めており(全く迷惑な話だが)、ついつい溜め息が零れてしまう。
しかし、そんな理由で仕事を休むわけにはいかない。
自分のほかにも少数だが女性はいる。彼女達もまたこのつらさと戦っているのだ。
そう考え、自分の身体に鞭を打ってよし、と気合を入れなおした。
と同時に。
「ジェイド〜暇だ構え!!」
…あぁ、始祖ユリアよ、いくら私が死霊使いとは言え、これはあまりにも…