□嘘の壁
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嘘をついた。


自分を守るために。


君は夢を持っているかい?

私は夢を持っています。



嘘が一回



君は自分のことが好きですか?

私は自分自身を誇りに思います



嘘が二回



そんなふうにいままで



何回嘘をついただろう?


つまらない人間だと思われたくない

人を嫌いになりやすい人だと思われたくない


だから嘘をついた。


いつしか嘘は矛盾になって


私の壁となっていった。


高く高く積みあがった嘘は


私の頭の遠く空のかなたまで伸びて


私を嘘吐きだと罵っている



私は嘘吐き


嘘をつかなきゃ自分を守れない


嘘が鎧


嘘が壁




盾が矛に矛が盾に


私の真実は一体何なのだろう?



嘘をつかない事なんて出来はしない



私だけじゃない



人は誰でも矛と盾を向かい合わせている。




盾をもった手で矛を持つ



それが私たち


それが嘘吐き。




離れることはできない―
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