詩
□空星(カラボシ)
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無限に流れる時のように
人は街道を歩いた
人で埋め尽くされたその道を
逆流に押されながらも歩いた
無数に飛び散る雑音の中
聞き取れない誰かの叫びを耳にしながらも
気付かずに
歩いた
歩いた
目的地に着いても
満たされない胸の溝
まるでスタートラインに今立ったかのよう
一歩歩いて息をした
むせ返るほどによどんだ空気
喉の奥に孤独を感じた
もう一歩歩いて瞼を開いた
目を逸らしたくなるほど色あせた風景
瞳の光に虚しさを感じた
全てに生気がない
死んでいるよう
「ココは地獄か?」
誰かが独り言のように問いかけた
答えなど返ってくるはずもなく
その場に立ち尽くした