ぷよ小説2

□約束
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「レイくん、レイくーん!」


「…なあにユウちゃん。」


僕の双子のお姉さんであるユウちゃんが手をばたつかせて駆け寄ってきた。


「あのねーっ!新しいギャグを思いついたんだけど、聞いてくれるー??」


「うん、いいよ。その代わり辛口でいくからね。」


「うーん!レイくん相変わらずきびしーっ!!」


そう言ってはじける笑顔で話すユウちゃん。


あのときは、こんなに笑う子じゃなかったのにな。


彼女をこうさせるべく仕向けたのは自分。


あの過去をユウちゃんに思い出させないために。


「…レイくーん?どうかしたー??」


「…なんでもないよ、さあ、どうぞ。」


「むーっ!ネタ合わせの最中に考えごととは!相方にあるまじき行為でありますよ!!お仕置きじゃー!!」


「うわ」


そう言って抱きついてきたユウちゃんに押し倒される。


「どうだー!お姉ちゃんには適うまい!ふっふっふー!」


おねえちゃん。


そう、ユウちゃんは僕の大事なお姉ちゃんだ。


死んでからはあまり意識したことはなかったけど。


「ごめんなさい、お姉ちゃん。」


思わずつぶやいた。


ユウちゃんの顔が一瞬歪んだ。


「ユウちゃん?」


しまった、まさか。


「ただ謝ればすまされると思ってるのー?レイくんは甘ちゃんだなあ〜!」


ユウちゃんがぱっといつもの笑顔に戻る。


ああ、良かった。


まさか思い出してしまったんじゃないかとヒヤヒヤした。


僕の上に乗ったまま、ユウちゃんが言った。


「罰として私死ぬまでレイくんから離れないよ!」


「…もう死んでるよ。」


「う…じゃあ死んでも離さない。」


「…ふふっ」


「あははっ」


そう言って僕はユウちゃんを抱きしめた。


ユウちゃんもそれに応えるように僕に抱きつく。


大好きなユウちゃん、いつまでも、一緒だよ。


end
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