ぷよ小説2
□ときたま遠距離
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最近、シェゾに会っていない。
たまにシェゾはふらりと一人でどこかに出かけては何日かしたら帰ってきて戦利品のアイテムを自慢しにやってくる。
「お前にはやらん」
とか言ってるけど最後にはなんだかんだでボクが欲しがっていた物をくれる。
結局は優しい人なんだ。
それはわかっている。
そんなシェゾだからボクはきっと好きなのであって。
しかし今回の空白期間は長すぎる。
とうに一週間は経ってしまっている。
シェゾはなにをしているんだろうか?
まさか、モンスターにやられて怪我でもして動けなくなってるんじゃないだろうか?
そんな不安が何度も頭をよぎった。
「ああっ!もう!!やめやめ!!こんな想像!!」
頭をぶんぶんと振り、自分を冷静に保とうとする。
実際シェゾは強い。
まあボクに勝てた試しは一度もないにせよ、頭脳派だし、剣は扱えるし、動きも軽快だし。
そんな彼がモンスターに負けるとは思えない…けど。
「こんなに顔を合わせてないんじゃ心配にもなるよ…、シェゾの馬鹿やろうー!!変態ー!!変態スペシャルー!!」
三連鎖の如く繰り出した発言。
周りには誰もいなかったのでかなりの大声で叫んだ。
「ふう…ちょっとすっきりしたな!さ、帰ってらっきょたっぷりのカレーでも作ろ……」
「誰がアレイアード変態だ!!」
すぐ後ろから声がした。
「!!うわあっ!!シェ…シェゾ!?」
振り向くと1メートルもない距離にシェゾがいた。
い、いつのまに…!?
「お前らしくもないな、敵に背後を取られるとは。」
シェゾがにやりと笑った。
「あ…あははっ。キミ、いつからいたのー?」
笑顔がぎこちなくなる。
まさか聞かれていたとはね…。
「…そんなに俺に会いたかったのか?」
「!!」
うわあ…やっぱり初めから聞いて…!!
一気に顔が熱くなる。
シェゾの顔が見れない。
「まあそう照れるな。心配かけて悪かったな。」
そう言ってシェゾはボクの頭にぽんと手を置いた。
「…お前も変わりないみたいだな、良かった。」
「え…。」
思わず顔を上げる。
シェゾの男とは思えない綺麗な顔立ちに思わず目を奪われる。