ぷよ小説2
□痛みと快楽は紙一重
1ページ/2ページ
物理部の部室で若い男女の声が響いていた―――。
一人は赤毛の髪を二つに分けて巻いた利発そうな女子と、もう一人は紫色の目まで隠れる髪をおかっぱくらいまで伸ばした男子生徒。
「あっ…まぐろくん…!」
「どうしたの?りんごちゃん…まだ初めたばかりだよ?」
「だっ、だって、もうこんなの耐えられな…ふあっ!」
「…口ではそう言ってるけど体は正直だよね、だいぶよくなってきたよ?さ、もう少し力を抜いて?最初は痛いかもしれないけど徐々によくなるから…ね☆」
「うあっ…ま、まぐろくん…!!」
「はいはい、捕まっていいからね。…それとも、今日はもうやめる?」
「やっ…やめないで!!」
「ふふっ、珍しく素直だね、りんごちゃん、可愛い…。」
ガラリ。
部室のドアが開かれた。
ドアの前にいたのは、
「「りす先輩!!」」」
物理部を間借りするりすくま先輩が二人を訝しげに見た。
「…まぐろくん、りんごくん…君たちは一体何をしているんだね?」
「え、なにって」
「みてのとおり!」
「「肩もみですよ〜っ!!」」」
幼なじみな為まるで双子のように息ぴったりに喋る二人。
「…そうか…ならいいんだが…。」
「??どうかしましたか?りす先輩?」
りんごが目をぱちくりさせて言う。
「最近りんごちゃんの肩こりがひどくって。毎日付き合わされてるんですよ☆お陰ですっかりマッサージ上手になっちゃいました!」
まぐろが自慢気に自分の両手を上に上げる。
「…まぐろくん、君は…あんな状況で大丈夫なのかね?」
マジ声のりす先輩にまぐろはきょとんとする。
「なにがですか?」
「…いや、分からないならいいんだ…。邪魔して悪かったね、続けてくれ…。」
そう言ってりす先輩は実験に取りかかる。
りす先輩の意味深な態度に二人は疑問を持ちながらもまた肩もみを再開したのだった。
今日も物理部は平和です。
end