ぷよ小説2

□小さな事件
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「や、やめろーーー!!」


部屋中に少女の悲鳴が響き渡った。


顔を真っ赤にして、目の前にいる青年を拒んだ。


『……あ、しまった。』


事の起こりは数分前。


アルルは部屋で魔導書を読んでいたが、学校で習っていない記号やら文字やらが多すぎてしびれを切らしていたところに昨日差し入れにもらったカレードリアの入っいた容器を返しにシェゾがやってきたのだった。


「おい、アルルいるか?」


シェゾの声がした途端アルルはガバッと突っ伏していた顔を上げ、玄関へとずかずか歩き出した。


「シェゾー!!今すごくキミに会いたかったんだよ!!」


出会いがしらにそんなことを好きな子から言われたシェゾは、


「…はあ?お前…なに言ってる…」


「まあまあ!!せっかく来たんだからゆっくりしていってよ!!今お茶入れるからさー!スケルトンから新茶をおすそ分けしてもらったからさ!」


ニコニコと嬉しそうにするアルルにシェゾも気が気ではなかった。


ぐいぐいと腕を引っ張られ完全にアルルのペースにはまるシェゾ。


ソファーに腰掛け、湯飲みを両手で持ちながら悶々としていた。


『こいつ…なに考えてやがる…?罠か?俺を落とし入れるための罠なのか!?』


湯飲みを持つ手がにわかに震える。


「どうしたのー?シェゾー。ほらぷよせんもあるよー!」


どんっと目の前に大量のせんべいを置かれたが、シェゾの目線はどこか違う方向を向いていた。


『どうしちゃったんだろう、変なシェゾ…。』


やっとお茶を一口ずずず、と飲むシェゾを見ながらアルルは思った。


「ねえ、シェゾにお願いがあるんだけど…。」


上目遣いでアルルにそう言われ、思わずドキリとするシェゾ。


「なっ…なんだ?」


「あのね…、ちょっと魔導書で分からないところがあって…教えて欲しいんだ…。」


魔導書を持ちながら、目を伏せるアルル。


大きな瞳を飾る意外に長い睫毛が強調され更にドキドキしてしまう。


「…どれだ?」


平静を保とうとして棒読み気味になる。


「ここなんだけど…。」


アルルの顔が近づくく。


10センチもないんじゃないだろうか。


「………。」


「…シェゾ?」


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