ぷよリレー小説

□第三章 遅れてきたヒーロー
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そこに現れたのは頭からつま先まで完全なる光の勇者ラグナス・ビシャシだった。


「全く昼間から何を騒いでいるんだお前らは!!近隣から苦情が来てるぞ!」


勝手にずかずかとあがり込み、ぽかーんと口をあける一同の前に来てラグナスは腕組みをした。


面倒なやつが来てしまった…とシェゾが顔をしかめた。


「さあ!!原因はなんなんだ!!アルル、説明してくれ!!」


「サタンが僕のシェゾを誘拐したから取り返しに来たんだ!!そしたらシェゾを人質に…!」


「なっ…なにっ!!」


ラグナスがずさあっとサタンに向き直る。


「はははー!!そういうことだから何か変な動きを見せたらシェゾの身の保証はできないぞー!!さあアルル!私の物になるがいいー!!」


サタンがシェゾをがっちりホールドし楽しそうにニヤニヤ笑っている。


「くっ……なんてことだ…!よりによってシェゾを人質にとるなんて…!!」


ラグナスが握り拳に力を入れた。


「ねえ、ラグナス!何か手はないかなあ?しかもシェゾは今サタンに魔法を封じられているんだ…。」


「…こうなったら…やるしかないか!」


「え、何かあるの!?」


アルルが目を輝かせた。


「俺がおとりになる…!!だからアルルはその隙にシェゾを…。」


「だめだよ!そんなことしたらラグナスが危ないよ!!」


「……いいんだ!それに…ここでサンドバッ…仲間を見捨てるようでは勇者とはいえないからね…!」


ラグナスがびっと親指を立てた。


「ラグナス…!!君って人は…!サンド…シェゾのことをそこまで…!!」


アルルの目に涙が滲んだ。


「おい!お前ら!そこでなにをいちゃいちゃしている!!夫の前で無礼だぞ!アルル!!」


『じゃあその妻の前でシェゾを厚く抱き締めているキミはなんなんだよ…。』




「アルルっ!!ラグナス!!なんでもいいからこのロリコン魔王を何とかしろっ!!こんな状態耐えきれねえっ!!」


サタンの腕の中でシェゾがじたばた暴れた。


「くっ…サタンめ…!ハレンチな!待ってろ!!シェゾ!今助けるからな!」


「ハレンチ…?ラグナス、キミ、何か顔赤くない…?」


「きっ気のせいだ!!では…ゆくぞ!!サタン!!覚悟!!」


ラグナスがサタンに素早く駆け寄り背後を取った。


そして、サタンの背中を剣の柄の部分で攻撃した。


「ぐはっ!!」



サタンが体制を崩した。


「アルルっ!!今だ!!」

「うんっ!!」


アルルはシェゾに駆け寄り、よろけてサタンの手から離れたシェゾをキャッチした。


「やったあ!!」


「ぐうーっ!!」


しかし喜んだのもつかの間……。


サタンがにやりと笑った。


「ふっ…甘いな、お前ら!!こんなこともあろうかと私は……!!」


すると次の瞬間、何者かがアルルの手の中に居たシェゾを一瞬にして奪っていった。


「ああ〜〜〜っ!!!き、キミは…!!」


アルルが上を見るとそこにいたのは……。


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