ぷよリレー小説
□第八章 あなたのお顔
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そこに居たのは銀髪の、黒い服を来た――
「シェ…ゾ…?」
違う。
姿かたちは確かにシェゾそのものだが、肌は褐色、額のバンダナと瞳は碧のそれとは違う赤。
「…久しぶりだな」
「キミは…ドッペルの…!」
「何故ここにいるんだ?」
アルルは衝撃に目を見開き、サタンは訝しげにドッペルを見た。現状についていけないのはラグナスである。
「アルル、こいつは一体?」
「時空の水晶だよ。シェゾの魔力を吸い取ってシェゾの姿になっているんだ」
「時空の水晶…」
ラグナスがまじまじとディーシェを見る。
「…おいそこの勇者、やらしい目で見るな」
「なっ誰が!!やらしくなんか」
顔を紅潮させて反論するラグナスを横目にディーシェは意地悪く笑うとサタンの方へ向き直った。
「何故我がここにいるか、だったな。結論から言おう面白そうだったからだ」
数秒の沈黙。
「成る程な」
「いやいや成る程なじゃないよ!」
変に納得してしまったサタンにアルルは突っ込みを入れる。
「とにかく!ただでさえ複雑な状況になってるからキミには帰ってもらえないかな?」
「…」
手をぱちんと合わせてお願いするアルル。ディーシェは軽く溜め息をついた。あ、分かってくれたのかなと思いきや。
「アルル」
「えっ?」
突然名前を呼ばれ。
「俺と一緒に行動するのが…そんなに、嫌かよ」
「!!」
シェゾの滅多に見せない、切なく、苦しそうな顔。(正確にはドッペルなのだが)アルルは不覚にもどきんとしてしまった。
「そ…そんな、ずるいよ」
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「アルル」
「シェゾ…」
「おいお前ら2人の世界に入るな!!」
「ちっ」
サタンがぴしゃりと言い、アルルは正気に戻り、ディーシェは舌打ちした。
「いいんじゃないか?人数は多い方が良いし」
「私もそう思うぞ!」
ラグナスにサタンが激しく同意する。
「サタンがそんなに賛成するなんて怪しいなあ…まあいっか!」
アルルも仕方なく同意する。
「たまには良いこと言うなヘタレ勇者」
「ヘタレ言うな」
「あ、サタン、ウィッチの居場所は?」
「う、えーと」
この後アルルの罵声が辺りに響き渡ったそうな。
一方、その頃のシェゾたち。
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