ぷよリレー小説
□第十章 うろこ、誤解、愛
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「ってぇ…くそ、あののーみそ筋肉女思いっきり殴りやがって…」
シェゾは茂みの中でもぞもぞと動いた。よく生きていたものだ。
「ここはどこだ…?」
辺りを見回す。森の中ではあるが、湖がある。ここは…
「あの、シェゾ、さん」
か弱いおずおずとした声。シェゾが声のした方を見るとそこには、うろこさかなびとのセリリが水の中から顔を出していた。
「あの…大丈夫ですか?なんだか怪我をしているみたい…」
「いや、大丈夫だ。…驚かせてすまなかった」
シェゾはそう言うとあちこち痛む体を奮い立たせてセリリの近くに歩み寄った。
「よかった。ほっとしました…」
セリリがはにかみ、頬を紅潮させて俯く。何だか微笑ましくて自然とシェゾの頬もゆるむ。その時だった。
「シェゾさんっ見つけましたわ!!」
和んだ雰囲気の2人に甲高い声がふりかかった。シェゾは盛大に溜め息をついた。
「なんだよこの変態魔女が!…なっ!?」
ウィッチは凄い剣幕で一直線にシェゾのもとへやってくるとその胸ぐらをつかみざまに
「シェゾさんっ見つけましたわ!!」
和んだ雰囲気の2人に甲高い声がふりかかった。シェゾは盛大に溜め息をついた。
「なんだよこの変態魔女が!…なっ!?」
ウィッチは凄い剣幕で一直線にシェゾのもとへやってくるとその胸ぐらをつかみざまに
「シェゾさん!これから私とお付き合いなさってくださいまし!!とゆーか付き合え!!ですわ!」
と怒鳴った。当然のごとくシェゾは固まった。その内容とウィッチの様子は違和感ありありである。
「お…前何言って」
「シェゾさん…もう恋人がいらしたんですね」
「?!」
セリリは目に涙をいっぱい溜めて悲しそうに呟く。
「いや、これは違う、おい」
「いいんです…私みたいな意気地無しよりウィッチさんのほうが良いに決まっていますから…さよならっ!」
「俺の話を聞けぇぇ!!」
ちゃぷん。シェゾの叫びと同時にうろこさかなびとは水中へ消えた。
「なんだか恋する乙女のガラスハートを傷付けてしまったみたいですけれども良しとしますわ。シェゾさん!生きていくためには貴方が必要なのですわ!」
「すまん何を言っているのか全く理解できん」
「すまん何を言っているのか全く理解できん」
一見愛の言葉を吐きまくるウィッチを死んだ目で見つめるシェゾ。そして。
「…あはは、2人ともここにいたんだぁ」
そんな物凄く誤解を招きやすい状況に思わぬ人物が乾いた笑い声を上げて現れた。
(アルルうぅぅぅぉぉぉえぉおぁぁぁあぁあぁぁ!!?)
シェゾは心の中で絶叫した。
続く。