ぷよ小説

□意地悪
1ページ/2ページ

好きなものほどいじめたくなるっていうけど。


今まではそんなこと思ったりしなかった。


僕はだいすきな虫をいじめたいとはおもわないし。


ましてや泣かせたいなんて。


これっぽっちも…。




アミティが目の前で泣いている。


僕が泣かした。


たぶん。


僕が悪い。


たぶん僕のことばがいけなかったんだろう。


レムレスと仲良く話しているアミティを見たら、胸の奥がもやもやして、ついあんなことを言った。


「僕にかまわないで。」


せっかく遊びに誘ってくれたのに。


いつもなら素直にうんと答えられるのに。


だって僕といるときより楽しそうだったから。


そして今有るのは泣いているアミティ。


立ち尽くす自分。


青い空。


青い涙。


何もかもがもどかしい。


「アミティ。」


「…っく、ひっく。シグ…私…シグに何か悪いこと、した?」


僕はゆっくり首を横に振った。


「…ごめんね?」


そうアミティの耳元で囁くと、アミティはもっと泣いた。


『いっぱい泣かせた…。』


ショックを受けていると次の瞬間。


アミティが僕の胸に飛び込んできてこう言った。


「…良かった…うっ…うわあん!」


泣いているアミティも可愛いけど、泣かしておいてなんだけど。


「アミティ、笑って?」



end
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ