ぷよ小説
□変態と乙女とティータイム
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昼下がり、真っ白なテーブルに座る二人の男女の姿があった。
「シェゾどうしたのー?そんなにこわばった顔してー!せっかくおしゃれなカフェにお茶しにきたんだからリラックスしてよー。」
「アルル…、確かに俺は約束は守る…が!!」
シェゾと呼ばれた男ががたっと立ち上がる。
「なんでこんなこっぱずかしい所に来にゃあならんのだーーー!!」
「えーだってちゃんと二人でお茶するって約束したじゃん。シェゾが勝ったら僕の魔力をもらう、いっつもそんな片方だけの条件ずるいから僕も得する交換条件にしたんじゃないか。」
「だ、だからってこんな…(カップルが来るようなこじゃれた雰囲気)場所を選ばずとも…良かったんじゃないのか…?ごにょごにょ…。」
辺りを見回すとうら若いカップル達が楽しそうに会話したり肩を寄せ合ったりしている。
シェゾは落ち着かない面持ちでうつむいている。
「…シェゾは…僕と、こういうとこくるの…嫌?」
「は…?」
シェゾが顔を上げると、
アルルが何とも悲しそうな、泣きそうな顔をしていた。
「ちっ違う!!そう言う意味で言ったんじゃあない!!」
「じゃあ…どうしてさっきからそんなにそわそわしてるの…?やっぱり…嫌だったんでしょ、僕とこんな場所に来るの!!」
アルルの瞳が潤んだ。
「〜〜〜〜っ!」
思いもよらない発言と表情にどきりとする。
それで、思わず…。
「いっ、嫌なわけあるか!!お前といるのに!!来なれない場所だからちょっと落ち着かないだけだーーー!!!」
焦って本音がただもれた。
アルルは一瞬ぽかんとした顔をしたがすぐに、ふふっと柔らかく笑った。
「…ようやく素直になったねー♪」
「……は?」
シェゾがまさか、と思った。
「ここまでしないと君って本当のこといってくれそうにないからさあ…。でもちょっと惜しかったかな〜?」
意地悪く笑うアルルの手元にはピンク色の目薬があった。
「ア、アアアルル…!!き、貴様…!!」
「うふふっ、シェゾってば僕と一緒で嬉しいんだねー♪」
ワナワナと震えるシェゾを横にアルルは満足げに笑って、
「次は好きだって言わせるよ」
そう耳打ちした。
シェゾが耳まで真っ赤になったのは言うまでもなく。
end