ぷよ小説

□押して駄目なら
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シェゾがおかしい。


今日は何かが違う…そうだ、僕、シェゾにいつま言われているあのセリフを言われてない。


「ねえ、シェゾ…。」


「どうした、アルル。」


「…今日は、何か静かだね?」


「俺はいつも通りだぞ、何か不都合でもあったか?」


「いっ…いや、なにもないけどー…。」


シェゾは淡々と答えた。


『うう…なんか調子狂うなあ…。』


あまりにも気持ち悪いので、僕は、


「ねえ、シェゾ。」


「なんだ、さっきから。」


「…言わないの?」


「なにをだ?」


「その…、ほらいつもの…。」


シェゾはよく分からないようなしかめ顔をして首をかしげた。


「…だから…。」


「いつもの変態発言のことだよ!!!」


言ってしまった…。


一気に顔がかぁーっと熱くなるのを感じる。


ああ、もうやだ。


なにやってるんだ僕は。


後悔しながら下を向く。


シェゾはどんな顔してるだろう…。


絶対嫌な笑顔で僕をばかにしているに違いない…。


恐る恐る顔を上げて、シェゾの顔を見た。


するとそこには、


きょとんとした驚き顔のシェゾがいた。


意外な反応に僕も驚く。


そんな僕を見て、シェゾがはっとして言った。


「お前…そんなに…俺にもらって欲しかったのか?」


「!!!」


まじまじと顔をみつめながからシェゾが詰め寄ってきた。


「そっ…!」


「そんなわけないだろーーーー!!」


僕はシェゾにパンチを繰り出した。


が、肉弾戦はやはりシェゾの方が上手なためいとも簡単に止められてしまう。


「…言ってもいいのか?」


「へ…?」


「お前が嫌がってるみたいだからあえて言わなかったんだが…。」


「そ、そうだったの!?なんだあ〜…僕はてっきり…」


自分ではっとした。


気づいてしまった。


てっきり、シェゾはもう僕に興味がなくなってしまったんじゃないかと。


不安になっていた自分に。


それに気づいた途端、心臓が壊れてしまったかのような音で鳴り響く。


ああ、もう…なんでこんな時に…!


恥ずかしくて泣きそうだ…。


シェゾが僕の拳を握りしめたまま言った。


「じゃあ今から言うぞ、よく聞いておけ。」


そう言うと僕の手を引き寄せ、僕を片手で抱きしめると同時に。
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