ぷよ小説

□赤ずきんと狼少年
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今日は学校がなく、シグと二人で虫取りに出かけました。


天気は晴れ。
あったかくてぼーっとしていたら眠ってしまいそう…。


「アミティ、こっちに大物がいそう。」


「あ!待ってシグ!」


シグは虫のことになると全力になる。


いつもぼーっとしているのが嘘みたい。


「シグー!!あんまり走ったら危ないよー!!」


「へいきー!!」


そう言うと森の中をどんどん駆け抜けていき置いていかれそうになる。


どうしたらあんなに早く走れるんだろう。


やっぱり彼の虫に対する執念が運動神経を奮い立たせるのかな…?


なーんて考えてたら…。


「見失っちゃった…。」


私は辺りを見回したが道がさっぱり分からない。


「…シグ…虫捕まえたら戻ってきてくれるよね?」


私はそう信じて近くの木の幹に腰を下ろした。


あったかい…。


お日様がぽかぽかだし…葉っぱのいいにおいもするし…。


眠くなっちゃう…。





「逃げられた…。」


シグはカラスアゲハを追って森の奥まできたものの獲物を逃がしてしまった。


「逃げたものは仕方ない。次のやつを探そう…あれ?」


夢中になって忘れていたが、異変に気づく。


「アミティ?」


後ろに彼女の姿はなかった。


まさかはぐれた?


僕が虫取りに夢中になっている間に…。


「アミティ!!」


今来た道を引き返し走る。


この森はもう何度も来ているから迷うことはない。


でもアミティは慣れてなくて。


そんなことすっかり忘れてた。


アミティ、ごめん。僕ひどいことした…。


心の中で必死に謝りながら森を駆け抜けた。


アミティが怖い目にあっていませんように!
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