ぷよ小説

□幸せの青
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「君も青が好きなの?」


異次元から来た少女は嬉しそうに訪ねてきた。


「うん、好き、青は海だし、空だし…。アルルも青が好き?」


そんな会話を交わしてから数ヶ月が経った。


アルルはまだ元の世界に帰れていない。ぷよ勝負に帰る秘密が隠されているからといって毎日色んな人たちと勝負しているけどだめみたい。


「アルル、なにかつかめそう?」


浜辺にカーバンクルと一緒に体育座りするアルルの横に僕も腰を下ろした。


「んー…びみょうかなあ…。手応えがないわけじゃないんだけど…。あと一歩って感じなんだけどなあ…。」


「そうか。じゃあきっともう少ししたら帰れるかもしれないね。」


「うん、ありがとうシグ。でも…。」


アルルが言葉を濁した。

いつものアルルらしくなかったので僕は不思議になった。


「どうかしたの…?」


うつむくアルルの顔を覗きこんだ。


アルルは歯を食いしばって何か考えているようだった。


「わからないんだ…。」


「え?」


「確かに僕は元の世界に帰りたいけど…ここもすごく好きで…時々分からなくなるんだ…本当に帰りたいのか。」


「アルル。」


「アミティもシグもみんな良い子だし、ここにいると楽しいよ。でももしもうここに帰ってこれなくなったらなって思うと…。」


アルルはまたうつむいた。


そうだったのか。


アルルはこんなにも僕らの世界が好きなんだ。


それはとてもありがたいことだけど、アルルが悩んでる姿は見たくないなと思った。


「前にも言ったきがするけど…。」


僕は立ち上がって波打ち際まで歩いた。


「行ったり来たりできると思うよ、アルルなら。」


「シグ…。」


「僕もアルルにもう会えないなんてやだし、アミティだって悲しむよ。もしアルルが戻ってこれなくなったら僕らがそっちに行く。」


アルルの表情が徐々に柔らかくなるのを感じた。


「…ありがとう、シグ。」


やっぱりアルルには笑顔が似合う。


青空みたいに澄んだ笑顔。


「それにあの変態さんも絶対アルルを追いかけていくと思うからアルルは絶対一人じゃないよ。」


アルルがぶっと吹き出した。


「あの人は別にどうでもいいんだよ!!シグ!年上をからかっちゃあいけないよ?」


そのわりには焦ってるように見えるけど。
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