アトリエ小説

□彼と私の3日間 2
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近くの森。


ザールブルグから一番近い森だから近くの森なわけで。


いや今はそんなことはどうでも良かった。


俺は今エリーと二人で近くの森までやってきた。


採取材料はオニワライタケ。


間違えて食わないようにしよう。前例もあるし。


「ダグラスー、ちょっと休憩しようか!」


「ああ…、じゃああの木の幹辺りに座るか…。」


俺の隣にちょこんとエリーが座る。


座った状態だといかにこいつが小さいかわかる。


「大丈夫?疲れてない?」


「ああ…。お前こそ大丈夫かよ?」


「うん私は大丈夫!今はそんなに忙しい時期じゃないし…。」


「そっか、ならいい、前みたいに休み無しで働いてぶっ倒れるなよ。」


「あっあれはまだ入学したての頃で…自分の限界が分からなかったからつい…。」


全く、どんだけ錬金術にのめり込んでるんだか。


まあそこがこいつのすごい所でもあるわけなんだが。


「生活で困ったら呼べよ、飯くらいなら作りに行ってやる。」


「えっ…ダグラスって料理できたの?」


「自分で食うものくらいしか作らねーけど…まあ普通じゃないか?」


「すごーい!!今度ぜひ作って!食べたいー!!」


拳をぶんぶん振り回すエリーを見てふっと笑みがこぼれた。


やっぱり俺らはこういうのが一番あってるよな…。


その時だった。


ガサガサ


「!!」


「エリーふせろ!!」


目の前を何か黒い小さな物が飛び出してきた。


「あ…なんだうさぎか…、わりぃエリー強く押しすぎた…。」


次の瞬間俺は言葉を失った。


勢い余ってエリーを押し倒す形になってしまっていたのだった。


エリーはこわばった表情を浮かべながら、大丈夫ーと呟いた。


「!!!!!」
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