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□俺にはない
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最近、俺と風丸は仲良くなった

いつもどうり話してたら…

風「なぁ佐久間」

佐「なんだ」

風「俺たち本当に似てるよなー」

似てる…

よくみんなに言われることだ

でも、正直俺は全然ちがうと思う

佐「どこが?」

風「目だよ」

佐「は?全然似てねぇよ、色とか全部」

風「色とか、そういうことじゃない」

佐「じゃぁなんだよ?」

風「俺たち、それぞれ違う目を隠しているだろ?」

佐「それのどこが…?」

風「だから…二人でこの世界を見てるんじゃないかなーって」

佐「意味わかんねぇ」

そう言ったら風丸は少し笑って

風「だから、右目は俺、左目がおまえってこと」

こんなこというんなら…

佐「おまえ…」

俺のこと好きなのか?

そしたらお前は少し驚いて…

風「そうかもな」

……こいつは俺とまったく違うんだ

佐「……ふーん…」

見た目とかそんなんじゃない

風「ねぇ…」

もっと大切な…

風「佐久間は恋とかしないの?」

みんな必ずある

佐「俺?」

人を好きになるとか、愛するとか

佐「恋…ね…」

そういう感情

佐「風丸は恋してるの?」

俺は…そう、恋を知らない

感じることもない

風「俺はしてるよー」

ほら…こいつにはあるんだ

“恋をする”という感情が…

俺には…ない

佐「俺はしてないよ」

いや、生まれることもない

風「ふーん…」

永遠にな


〜恋という名のプログラム〜

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