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□学園の人気者!
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地毛の茶髪はワックスで立たせて、耳にはピアス。はだけた胸元にはシルバーのアクセ。



チャラチャラした容姿だけど、頭がよくて常に次席。


運動はできるけど部活には入ってない。



そんな俺、佐々木 遥(ササキ ハルカ)は

自分で言うのもあれだけど、それなりにモテる方。



そんで、そんな俺と同じくらいモテてんのが目の前にいるコイツ。

神崎 昴(カンザキ スバル)



"神崎君はクールでカッコイイよね〜"

"え〜?遥くんのほぉが優しくてカッコイイよぉ!"


何かと神崎と比べられる事の多い俺。
正直うざったい。


つーか、たとえそれを抜きにしても、俺は神崎が大っ嫌いだ。



だって、神崎の中身は最悪。



前に下駄箱のとこで告られてんの見たけど、バッサリ断って泣かしてた。


"綺麗な物にしか興味ない。"



勇気だして告白してくれた子に、そんなのってないだろ。



なんでそんな奴がモテんだか。


神崎よか、クラスの眼鏡くんのほうがよっぽどいい性格してる!!



なのに眼鏡くんじゃなくて神崎がモテんのは、結局はまぁ、顔って事だろ?



確かに、目の前にある顔はカッコイイ。

身長も俺よりちょっと高かったし。


運動は俺より出来ないはずなのに、腕を押さえ付ける力は強くて


声はちょっと低めで、



「なぁ、いいだろ?」


こんなふうに耳元で囁かれたら…




―――流されちゃってもイイかも。




「って!!イイ訳あるかぁあぁっ!」



「うるさい。」


放課後の
人気のない教室。


机に隠れるように
床の上で縺れ合う男と、男。


俺は今、何故か

大っっっ嫌いな神崎に押し倒されている。

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