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ギシリとベッドが音を立てる。
シーツの擦れる音と、布団の沈む気配で誰かが俺が寝ている上に乗り上げてきたことがわかる。
昨日は確か、マキが泊まっていったから、マキの仕業だろうか。
最近できた彼女のマキは、大人しげな風貌で庇護欲をそそられるがベッドの上では意外と積極的だ。
頭の両脇に手をつくと、顔が近づいてくる気配がする。
頬に息がかかったと思ったら予想通り唇に柔らかい感触。
それはすぐに離れてゆき、ちゅっ、と可愛らしい音を立てた。
(あー…早く起きてマキの相手しねえとな…アイツ…弟…が帰ってくるかもしれねえし。)
頭ではそう思うも、体はまだ眠気を訴えていて。
「…ん。マキ……」
再び降りてきた唇を受け入れつつも、マキに声をかける。
「ちょ…待て…ねみぃ…」