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□自分革命
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放課後、とある教室の一角…
「なんなのアイツ!!!」
「会長様にベタベタして!」
「もう我慢できない!!!」
少女のように美しい顔を、鬼のように歪めた少年達が口々にとある人物を罵っていた。
彼らは会長親衛隊。
この全寮制金持ち男子校の頂点に君臨する会長に恋心をいだいている者達だ。
ところが、その思いを寄せられている会長は、最近入学してきた幼なじみにべったりなのである。
そのため会長親衛隊は連日こんな感じで荒れていた。
「だいたい、会長様の幼なじみだからって調子に乗りすぎなんだよ!」
隊員達の不満は溜まりに溜まっていた。
「会長様がお優しいからって自惚れてるんだよ!デブのくせに!!!」
『僕たちの手で、調子に乗った新入生に自分の立場をわからせてあげないと。』
そんな思いが隊員達の中に芽生え始めたとき、ゆっくりと一人の少年が立ち上がった。
少年は先ほどの悪口に参加しておらず、耳を傾けるだけだったが、今はその瞳に燃えるような怒りを表していた。
「僕が行くよ」
その言葉にいきり立っていた隊員達が一瞬で静まりかえる。
にっこりと、微笑んだ少年は誰よりも美しい。
しかしそのオーラはまるで、悪魔のようだった。
「僕も許せないんだ。徹底的に虐めてきてあげるから。君たちは手を出さずに見てて。」