ゴミ箱
思いつきや没ネタなど。
続いたり続かなかったり。
◆はじまりはコンビニから
以前拍手文にしていたものです。
微編集しましたが相変わらずのオチ。
の為、ゴミ箱行き。
2013/02/16(Sat) 21:24
by 琉和
『ねぇ、君ちょっと待って!』
はじまりはコンビニから
時間をつぶすために、用もなくコンビニの中を一周して
でもやっぱり気になるものもなくて。
しょうがねぇ…帰るか、と店を出れば
後ろから声をかけられた。
振り返ればそこには、息を切らしたコンビニの店員がたっていて。
またか、と小さくため息。
…ツイてないな。
万引きに間違われるなんて。
by 琉和
どうも俺は、人相が悪いらしい。
いわゆる″悪人顔″というやつだ。
こういった風に、
店員に万引きを疑われる事も
悲しい事に多々あった。
けれども俺は、やってない。無実だ。
だから堂々と、店員に視線を合わせて言い放つ。
「何か用スか?」
ごくり、と喉を鳴らす店員。
おいおい、俺の顔はホラーか。
…確かに、道行く子供にすれ違っただけでマジ泣きされたことあるけど!
そのせいで、保育士になる夢を諦めましたけど!!!
by 琉和
ただ見つめていただけなのに…
今回も、きっと。
店員は俺が睨んでるように感じられたのではないだろうか。
…生んでくれた両親には申し訳ないが、もう少し愛される顔に生まれたかったと切に思う…。
そんな風に俺が
軽く意識を飛ばしていると
店員はさらに一歩近づいてきて。
「いろいろ言いたい事とか聞きたいことあるんだけど…とりあえず、付き合って下さい!」
頭まで下げてきた…。
あれか、俺の顔は直視できねぇってか。
別に殴ったりしねえよ。
ふと、視線を感じて顔をあげれば
俺と店員の周りには軽くギャラリーが。
…そういえばここ、
コンビニの入り口だったなと思い出す。
by 琉和
俺達は通行の邪魔になっているらしい。
しかも目の前の店員は
いまだに頭を下げたまま。
周りの奴らが
好奇の目で見ているのがわかる。
なんか、俺がやらせてるみてえじゃねえか…
無関係なフリしたい。
一刻もはやく立ち去りたい。
でも、このまま帰る訳にはいかないだろう。
こうなったら、事務所まで付き合って
きちんと無実を証明したほうが早そうだ。
そう思った俺は、
軽くため息を吐いて店員に話しかけた
「わかったよ。付き合えばいいんだろ?」
by 琉和
…だから顔あげろよ、と。
言うよりも早く
ガバッ!と効果音をつけて
店員は下げていた頭をあげた。
「マジで!?」
そう叫んだ顔は、
ずっと下を向いていたせいで真っ赤だ。
ちょっと可哀想な事を
したかもしれないと見つめていると
「めちゃくちゃ嬉しい」
気づいたら
店員と俺の距離は0になってて、
唇に、ふにっとした感触。
顔を離した店員は
やけに嬉しそうな顔をしていて
あれ、なんかおかしくね?
付き合うって…
万引き疑惑で事務所まで付き合えって
事じゃないのか…?
え…?じゃあ…
「…付き合うって、何に…?」
「勿論、俺の人生に!」
ニカッと笑って言い切った
店員の顔を見たのが最後、
俺の意識はぶっつりと途切れた。
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