極上生徒会部屋
□私は あなたを
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私はその時、久遠さんに報告をするために生徒会室を訪れた。
でも、中から話し声がする。
耳を傾けると、久遠さんと私の大好きな…和泉の声。
「…今はダメだなぁ…また後で来よう」
そして歩き出そうとした。
でも私は歩こうとする足を止め、ある考えを思いついた。
「ちょっとなら…いいよね」
盗み聞き、なんて言うと聞こえが悪いけど…。
好きな人がどんな会話してるかって、気になるものだと言う言い訳があるから。
私は扉にぴったりと耳をつけて、二人の会話を聞こうと試みた。
『久遠先輩が…すきだから』
「えっ!?」
思わず出てしまった声はどうしようもなく、慌てて口元を押さえても意味はなく。
同時に。
こんなに後悔するなら、初めから興味本位なんかで盗み聞きなんてしなければ良かった───なんて思ったり。
私は取り返しのつかないことを、してしまったんだ。
涙が溢れてくる。
私は一目散に駆け出した。
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