アカイイト
□always(with me)
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幸せだよ。
柚明お姉ちゃん、わたし、すごく幸せだよ。
「……ん…」
「あ、桂ちゃん、起きたのね」
カーテンの隙間から差し込む穏やかな光に照らされて、やわらかな朝の目覚めを迎える。
同時に、大好きな柚明お姉ちゃんが優しく微笑んでくれて、───もう、感無量とはこう言う状況を指すのではないかと思ってしまう。
「…えへへ……」
「?…桂ちゃん?」
「あ、ごめんごめん。…ねぇ、手、貸してくれない?」
私は自分でも唐突だなぁ、と思うけど。
「…いきなりどうしたの?」
くす、と笑い流してくれる柚明お姉ちゃん。
多分わたしは感無量の上限を試そうとしてるんだと思う。
自分でこんなこと考えるのも変…だけど、幸せって大きい方が、もっともっと幸せだよね?
…ちょっと日本語がおかしいかもしれない。
「わたし、お姉ちゃんの手…すきだから」
「…そう…なの?」
柚明お姉ちゃんは白い頬をほんのりと紅く染めて、ゆっくりと白い手を差し出した。
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