Long
□ シアワセノカタチ
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ゆちょんがボクの手を握って、2回ぎゅっとする。
ボクはゆちょんの手を4回ぎゅっとする。
仕事中、周りに人がいる中でも、お互いの気持ちを確認できるようにって、ゆちょんが考えたボク達だけの秘密の合図なんだけど。
本番の最中とか、急いでる時に限ってぎゅっとしてくるんだよね……ていうか、これ必要?わざわざしなくても分かってるだろ?
今日だって歌番組の収録中、隣りに座るゆちょんが、周りに見えないように手を握ってきた。すました顔で前を向いたまま。
他のひとに見つかっちゃいそうだから、焦ってぎゅっと1回だけして離したら、ボクを見て違うって唇を尖らせた。
えっ?何が違うの……?
カメラが他の出演者を撮ってるのを確認して、ゆちょんの耳元で小さく囁いたら、
「ふふ。だって2回は、す・きでしょ。だ・い・す・き、で4回。」
はぁ〜っ?!
もしかして回数に意味あったの?しかも、ボクのほうが大好きなの?
驚いてじたばたしちゃったら、ジェジュン兄に静かにっ!て睨まれた。
ゆちょんって歳の割に落ち着いてて、なんでも知ってて、同い年のボクより大人っぽいって思ってたけど……。
意外に考えてること可愛いっていうか、子供っぽいっていうか……。
『ねぇ、ジュンス…?』
ん?ゆちょんはボクの耳元でささやく。
『今日、したい。』
低い声でゆっくりというと、ボクを見てにっこり笑った。
なに〜っ?!なんだよ。その瞬間技!さっきとギャップありすぎるだろ?……しかも、こんな時にこんな場所でそんなこと口に出していう?!
顔が熱くなったボクをうれしそうに見るゆちょん……。
くそぉぅー!
笑うゆちょんをがばっと抱きしめて、ピンクの唇にキスしたいのを一生懸命我慢しながら、ボクもゆちょんの手をぎゅっぎゅっと2回強く握る。
ボクの『う・ん』が分かったのか、ゆちょんは下を向きながら顔をくしゃっとさせて笑った。
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