Long
□ キミノトナリ
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ユチョン視点
ユチョンは顔を見れば彼女ができたってすぐ分かる、ってまわりの友達は笑っていう。
いつもにやけてる顔が、より一層くずれてるらしい。まったく失礼な話だけど、本当は自分でもよくわかってる。
だって、朝起きてすごく眠くたって、好きな子のこと考えるだけでほわほわって胸が温かくなる。
もう一度ゆっくり目を閉じながらオレを見つめる可愛らしい顔、優しい声を思い出す。そして朝から胸がいっぱいになって、満ち足りた気持ちでカーテンを開ける。
片想いしてる時の、朝一番のため息だってつかなくていい。
いつもの窓から見える空だってなんだか高く感じるし、目で見えるものすべての色が一段明るくなった感じ。色つきのまぶしい世界。
ジュンスにも見えてるのかな…?
「ユチョン〜!早く起きろ〜。」
ん?オレを容赦なく起こすジェジュン兄の声だけはいつもとおなじだ…。
その声と同時にバタバタと走ってくる音。ノックがなってドアがほんのすこし開く。
「ゆちょん。早く。ごはん。」
それだけを静かにいうと、またドアをバタンと閉めてジュンスはいってしまった。
もう。
足音だけで期待しちゃったオレが布団からだした手は、所在なさげに空をきる。
朝の満ち足りた気持ちはもう、心の奥のほう。
ジュンスの声にどきっとしたくせに、抱き締めておはようのキスも出来なくて、朝から1人取り残されたような気持ちになる。
もう少しここにいたら、またジュンス来てくれるかな…なんて子供じみたことも考える。
好きな人と一緒に住んで同じ時間を共有できるって、楽しくてうれしくて幸せでどうしようもなくて。
でも、それと一緒に寂しさやせつなさだって倍増する。
寂しさだけがいつも新鮮って、誰がいったんだっけ…。
オレはもう一度、目を閉じる。
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