Long
□ マホウノコトバ
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「すき……?」
「あいしてる……?」
今まで付き合った子達が、どうしてそんな分かってること聞くんだろうって、オレずっと不思議に思ってた。好きじゃなかったら、一緒にいないだろって。
ちがったんだね……。
本当に好きか、愛してるのか聞いてるんじゃないんだ。だって不安に思ってる時って、逆にそんな直接になんか聞けるわけないもん……。
それを聞いたときの、大好きな人の反応が見たいんだ。
聞いた途端に困ったような顔をして、恥ずかしそうにでもちょっとだけうれしそうに、その言葉をいう愛しいひと。
その可愛い表情や仕草がこの目で見たくて、分かってるのに聞いちゃうんだ。
オレ、ジュンス好きになって、それにようやく気付いた。だって今は、オレがジュンスに聞いちゃってるんだもん……。
オレが聞いても、ジュンスは恥ずかしがってなかなかいってくれない。
でもいいんだ。
聞いてすぐ『うっ』て息飲んじゃって「分かってるくせに!」って唇を尖らせる。そしてだんだんとピンクになる柔らかいほっぺ。
そんな可愛い姿を目の前でみちゃったら、そりゃあもう心がほわほわしちゃって、それだけでぎゅっと抱き締めたくなるでしょ?
ふふふ。それでまたもう1回聞いちゃう。
『ねぇ、ジュンス。愛してる?』
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