企画

□嫌いの裏側
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君は私を拒絶する。
何故拒絶するのかわからない。

「ねぇ、名無しさん」
『なんだよ』

冷たい声でかえってくる。
なんで、こんな人好きになっちゃたんだろう?自分でも不思議に思う。
でも、最初の頃は仲良かった気がするんだ。
優しくしてくれてたし、笑顔だってみせてくれてた。
いつから、そんなに冷たくなったんだろう。

『話ないんだったら呼ぶなよ』
「ごめん」

顔だってこっちに向けて話してくれない。
何考えてるかわかんないよ。
珠理奈たちとは楽しそうに話すのに。
みんな、名無しさんのこと優しいっていう。
それくらいわかってるよ。
だって、一番仲良しだったんだから。

『玲奈』

愛しい声でよばれる。
嬉しいんだけど、嫌な予感しかしない。

『僕、玲奈のこと嫌いなんだ』
「え?」

知ってたけど、本人からいわれると辛い。
虚しいくらいに静かな教室。

『近づかなっ・・でくれ・・』

泣いてる?
そのまま出ていこうとする名無しさんの腕をつかまえて振り向かせる。

『なんだ・・よ・・!離せよ!!』
「ヤダ!!!」

自分でもびっくりした。
こんな大きな声出せるんだ。

『玲奈なんて、、、嫌いだ!!大嫌いだっ』
「じゃぁなんで泣いてるの!?泣きながらそんなこと言われても信じられないよ!!」
『き・・らいだぁぁ』
「意味わかんないよ・・」

とりあえず、泣き止むのを待った。
必死にしがみついてくる名無しさんを、私も必死で受け止める。

「私のこと本当に嫌い?」
『嫌いじゃないよ』
「なんで嫌いっていうの?」
『好きだから』

ますます意味わかんないよ。

「好きなのに、嫌いっていうの?」
『好きっていいたかったんだ、、、、でも』
「でも?」
『伝えてしまったら、自分を抑えられそうになくって、玲奈が近くにいるだけで僕は狂ってしまいそうになるんだ。
だから、わざと冷たくして嫌われればいいとおもった!!でも、予想以上に自分も辛くて、泣いちゃだめって思ってたのに泣いちゃって・・・』

また泣きそうになる名無しさんを抱きしめてあげた。

「そんなことしなくたってよかったと思うんだ。私はどんな名無しさんだって好きだよ?」
『でも、玲奈のこと壊しちゃうかもしれない。それが恐いんだ』

腕の中で小さく震える名無しさん。
こんな時に不謹慎だけど、可愛いって思った。

「いいよ。名無しさんにだったら壊されても」
『玲奈・・・』

涙目でみてくる。
それはちょっとやばいかも。

「だって、私も名無しさんのこと大好きだもん」
『ありがとう玲奈。。。あと、ごめんね』
「許さない」
『え〜!』

本気で困ってる顔もかわいいなぁ

「キスしてくれたらいいよ?」
『玲奈って意外と大胆だね』

ここ教室だよ?って笑った。
やっと笑ってくれた。
私の大好きな笑顔。

『玲奈・・・大好きだよ』

私と名無しさんの距離が0になった。
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