モワッときた!!

□ピアニストと調律師
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『ふへ〜いつ来てもでっかいお屋敷だ〜』

門の前でいつもしばらく止まってしまう。
私の家とは全然違う。
あ、でも、ここでのお仕事のおかげで広くはなったよ!
前よりか!!
ありがたい。

「珠理奈様お入りください」
『あぁ!すいません!!』

未だに様付なれないんだよな。
だってそんなに身分高くないもん。

「玲奈様が待っております」
『あ、はい』

部屋へ案内される。
もう、されなくても覚えてるけど、、

「玲奈様、珠理奈様をお連れしました」
「ご苦労、もう戻っていいわよ」
「それでは」

執事さんが居なくなるまでの微妙な緊張感。
足音が遠ざかっていく。

「珠理奈!!」

ばさっ

『玲奈ちゃん//』
「会いたかった!!」

苦しいくらいに抱きついてくる。

「もう毎日来てくれてもいいのに!!」
『毎日来るほど狂ってないでしょ』
「でもでもでも!!」

こうやって甘えてくれる玲奈が可愛い。

「月2回位だよ!」
『玲奈ちゃんのご両親がピアノを気遣ってくれてるから、月に2回会えるんだよ?』
「そうだけどー」
『さぁ、調律をしよう』

ちょっとだけ狂ってるなぁ。
確かに、できれば毎日会いたいけど、調律師が毎日来てたらおかしい。

『あの〜調律しにくいんだけど?』
「だってさ、久しぶりに会えたんだよ?くっつきたいし」
『何のために早くきたんでしょうか?』
「ちゃんと考えてくれてたんだ♪」
『玲奈様のために』

コンコン

「どうしたの?」
「紅茶をお持ちいたしました」
「入って」

テーブルの上に置かれる紅茶。

「それでは、珠理奈様ごゆっくり」
『え、ありがとうございます』

執事さんがいると空気がピリピリするんだよな。

「突然玲奈様なんていうからビックリしちゃった」
『近づいてくる足音が聞こえたからね』
「いつも思うけど耳いいね」
『そうかな?』
「でも、玲奈様呼び好きじゃないなぁ」

ほっぺを膨らませて怒る。

『分かってるよ。玲奈ちゃん』
「やっぱり、珠理奈大好き!」

もう少しで、1時間たつ。
ん、いつも通り。

『こんな感じだな』
「ちょっと弾いてみる!!」
『どうぞ♪』

玲奈ちゃんって綺麗な指だなぁ。
いつも見入ってしまう。
ピアノ弾いてるときの玲奈ちゃんはとても綺麗だ。

「さっすが珠理奈!完璧!!」
『ありがとう♪玲奈ちゃんのショパンも最高だったよ!!』
「本当!?ありがとう♪」

やったーって喜んでる玲奈ちゃん可愛い!!

「ねぇ珠理奈?」
『ん?何?』
「ん」

目を閉じて待ってる玲奈ちゃん

ちゅっ

「///」

自分から誘っといて照れる玲奈ちゃん

『玲奈ちゃん可愛い』
「へ//」
『玲奈ちゃんがもっと欲しいな』
「珠理奈・・・いいよ・・」

いつもより瞳がうるうるしている。

『やったー♪』

玲奈ちゃんをお姫様抱っこする。
そのまま移動。

コンコン

「はぁ、ごめんね?珠理奈。」
『大丈夫。待ては慣れてますから』
「今度は何?」

あ、声が怒ってる。

「すいません。玲奈様。お母様が」
「呼んでるの?」
「はい。」
「今から行く」

ちょっとふてくされてる。

「じゃ、ちょっと待ってて」
『うん』

今日で何度目になるだろうか?
おあずけくらうのは。。。
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