モワッときた!!
□あれがあれなんです。
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「キャァァァァ!!」
「なんだ!何があったんだ!?」
「人がトラックに!!」
そんな通行人の声も私の耳には入らなかった。
ただただ、目の前で真っ赤に染まる君を見て固まる事しかできなかった。
『あっちゃ・・ん。。。』
名無しさんの声はすっと耳に入ってきた。
その瞬間やっと全てを理解した。
「名無しさん!!」
私はぐったりと道路に横たわる名無しさんに駆け寄った。
血なまぐさい。
「あぁ、、ああ!!どうして!?どうして名無しさんなの?!死なないで!!名無しさん!」
きっと意識が朦朧としているであろう君の名前を呼ぶ。
君はそんななか私の顔に手を伸ばした。
『・・・・。』
まるで最後の言葉みたいに小さなかすれた声で好きだよって言ってくれた。
そして、そのまま手は地面へ落ちた。
「名無しさん・・?あ、、え、、?そんな、、、あ、、、ああ、、うわぁぁあぁぁぁ!!」
地面に力なく落ちた手を握った。
少しでも体温が私の体温が伝わるように。